2013 Fiscal Year Research-status Report
先端LSIテスト手法に対応した設計フロー最適化に関する研究
Project/Area Number |
25730031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮瀬 紘平 九州工業大学, 情報工学研究院, 助教 (30452824)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | LSIテスト |
Research Abstract |
LSI製造技術の進歩は、LSIを高速化、微細化、多機能化してきた。しかし、一方で複雑で膨大な工数を要する製造工程は、LSIの欠陥を引き起こすメカニズムも複雑にし、今後もその傾向は継続すると考えられる。2013年度は、効率的に大量の設計データを利用することで今後も複雑化を増す欠陥を確実に検出するテスト手法を確立するための準備として、既存手法のテスト生成手法の性能向上と、大量の設計データの有効に利用する手法に関する研究を行った。 (1)最新技術動向調査: LSIテスト学術界・産業界主要のイベントであるInternational Test Conference 2013、European Test Symposium 2013、Asian Test Symposium 2013に参加した。本研究に類似する技術はなく、欠陥が起こるメカニズムが年々複雑になっていることを確認できた。 (2)テスト入力生成・テスト変換による欠陥検出能力向上(平成25年4月~平成25年12月):LSIテストに使用するテスト入力を変換するテスト変換技術に絞って研究を行った。まず、変換技術が変換するテストデータを、重要度別に分割する技術を開発した。テストデータの中でも目的によっては重要度が高いデータと重要度が低いデータが存在する。テスト変換技術の中で、重要度が高いデータに絞ってテスト変換を行うことで、テスト変換技術を高速化することが可能になった。テスト変換技術の高速化により、欠陥検出に時間を費やすことが可能になり、今後の研究において重要な技術となる。 (3)レイアウトデータ分割(平成25年10月~平成26年3月):高い欠陥検出を達成するために必要なレイアウト後のデータを精査し、テスト入力生成・テスト変換で使用するデータを抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、研究の目的を達成するために(1)最新技術動向調査、(2)テスト入力生成・テスト変換による欠陥検出能力向上、(3)レイアウトデータ分割を行った。それぞれ概ね順調に進展している。下記にそれぞれについて理由を述べる。 (1)最新技術動向調査:LSIテスト業界の主要な国際会議(International Test conference 2013, European Test Symposium 2013, Asian Test Symposium 2013)で研究動向に関する情報収集を行うことが十分にできたと言える。2013年6月末までドイツに滞在していたことを利用して、European Test Symposium 2013に参加できたことが非常に大きい。現在のテスト関連の研究は、ヨーロッパの大学関連の研究グループが非常に強いため、十分な情報収集となった。 (2)テスト入力生成・テスト変換による欠陥検出能力向上:当初は、研究協力グループであるフライブルク大学からのテスト入力生成技術に関する支援を受け、テスト入力生成技術自体を研究開発する予定であった。しかし、フライブルク大学で使用しているテスト関連技術に関するデータベースと申請者の使用しているデータベースにかなりの相違があったため、現状では技術的なアドバイスを受けるに留めている。その代わり、テスト入力生成・テスト変換技術の高速化技術を開発した。高速化技術は、今後の欠陥検出能力向上手法に関する研究に直接貢献可能である。 (3)レイアウトデータ分割:高い欠陥検出を達成するために必要なレイアウト後のデータを精査し、テスト入力生成・テスト変換で使用するデータを抽出した。また、抽出したレイアウトデータが、レイアウト上でどの部分に相当するかを表示するフローも確率し、今後の研究を非常に進め易くしている。本項目に関しては順調に進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、本研究は、下記の通りほぼ予定通りに進めていく。 (1) 最新技術動向調査(平成26年4月~平成27年度3月):複雑化していく欠陥に関する情報を中心に平成25年度の動向調査と同様に行う。 (2) 分割データ利用先端テスト入力生成(平成26年4月~平成26年12月):効率良く分割したデータを利用して、テスト入力生成とテスト入力変換による欠陥検出能力を最大化した先端テスト入力生成システムを構築する。従来手法と比較して欠陥検出能力が20%以上向上することを目標とする。検出能力向上を達成後、処理時間の削減を行う。2013年度に研究予定であったテスト入力生成技術の開発は、ここで行う。 (3) 先端テスト入力生成対応LSI設計フロー構築(平成26年10月~平成27年3月):レイアウト前に本提案手法である先端テスト入力生成の欠陥検出能力を見積る手法を組み込んだLSI設計フローを構築する。検出能力見積りの精度を、多くの実験回路を用いて検証する。 (4) 回路修正による欠陥検出能力向上(平成27年4月~平成27年9月):レイアウト前に先端テスト入力生成の欠陥検出効果が低いと判断した場合の、欠陥検出能力向上回路修正手法を開発する。欠陥検出能力20%向上を達成するために最小限のオーバヘッドで回路を修正する。一般的に許容オーバヘッド増加は数パーセント以下であり、それを目標とする。 (5) 先端テスト入力生成対応LSI設計フロー最適化(平成27年7月~平成27年12月):提案する先端テスト入力生成手法、回路修正による欠陥検出能力向手法は、密接に関わっており、処理時間、オーバヘッド、データ量など様々なトレードオフが考えられる。設計フロー全体の観点から様々なトレードオフを解析し、フロー全体としての最適化を行う。
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Research Products
(2 results)