2014 Fiscal Year Research-status Report
先端LSIテスト手法に対応した設計フロー最適化に関する研究
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25730031
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮瀬 紘平 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (30452824)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | LSIテスト |
Outline of Annual Research Achievements |
LSI製造技術の進歩は、LSIの多機能化・高機能化をもたらす代わりに、LSIの欠陥を引き起こすメカニズムも複雑にし、今後もその傾向は継続している。2014年度は、効率的に大量の設計データを利用することで今後も複雑化を増す欠陥を確実に検出するテスト手法を確立するための準備として、既存手法のテスト生成手法の性能向上と、大量の設計データの有効に利用する手法に関する研究を行った。 (1)最新技術動向調査: LSIテストに関するヨーロッパでのシンポジウムEuropean Test Symposium 2014に本研究の成果を投稿し、発表および情報収集をする予定であったが、不採録となったため参加は見送った。次に、LSIテスト学術界・産業界の最大のイベントであるInternational Test Conference 2014に成果を投稿したがこれも不採録となり、こちらも参加を見送った。2014年度に関しては研究に関する最新情報等は、Webや研究協力者から入手した。 (2)分割データ利用先端テスト入力生成:効率よくテスト入力生成を行うために、データ量の多いレイアウトデータから、目的に応じて少量のデータを用いてテスト入力生成を行う手法を研究した。どのデータを抽出するかを厳選し、本研究ではテスト時の消費電力に関わる欠陥検出に必要な、配置・配線・セルの種類などの限られた少量のデータを抽出可能にした。 (3)先端テスト入力生成対応LSI設計フロー構築:テスト入力生成前に、欠陥検出を効率化する前処理にあたる部分の手法を開発し、実装した。本研究では、テスト時の消費電力に関わる欠陥検出を効率化する前処理を開発し、成果をEuropean Test Symposium 2015に投稿し採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度は、(1)最新技術動向調査、(2)分割データ利用先端テスト入力生成、(3)先端テスト入力生成対応LSI設計フロー構築を行った。最新技術動向調査以外は、おおむね順調である。下記にそれぞれについて述べる。 (1)最新技術動向調査: 論文発表・参加予定であったLSIテストに関するヨーロッパでのシンポジウムEuropean Test Symposium 2014とLSIテスト学術界・産業界の最大のイベントであるInternational Test Conference 2014に論文投稿をしたが不採録となり国際会議出席による情報収集は断念した。しかし、European Test Symposium 2015には投稿して採択されており参加予定であるため、2015年度も最新技術動向調査が可能である。 (2)分割データ利用先端テスト入力生成:大量のレイアウトデータから、どのデータを抽出するかを厳選し、本研究ではテスト時の消費電力に関わる欠陥検出に必要な、配置・配線・セルの種類などの限られた少量のデータを抽出可能にした。テスト入力生成部分が遅れ気味ではあるが、フライブルク大学と我々の研究プログラムを共通で利用可能にするデータ共有システムの開発が最終段階に入っており、2015年度にテスト入力生成部分の遅れを取り戻す。 (3)先端テスト入力生成対応LSI設計フロー構築:テスト入力生成前に、欠陥検出を効率化する前処理にあたる部分の手法を開発し、実装した。本研究では、テスト時の消費電力に関わる欠陥検出を効率化する前処理を開発している。成果をEuropean Test Symposium 2015に投稿し、フルペーパーとして採択されており、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、ほぼ交付申請書の通り、下記の項目について研究を推進していく。2014年度の進捗状況により、一部変更・追加をしている。 (1)最新技術動向調査:2015年5月にEuropean Test Symposium 2015で研究発表があるため、その際に最新技術動向調査を行う。 (2)回路修正による欠陥検出能力向上:2013年度・2014年度に研究を行ったテスト入力生成の達成可能欠陥検出率を少ないオーバヘッドで向上させる手法を開発する。ただし、回路修正や回路追加に関しては、回路面積増加やタイミング収束の問題でネガティブなイメージが依然として強い。ここでは、回路修正と回路追加は最小限にとどめる。 (3)先端テスト入力生成対応LSI設計フロー最適化:フロー全体を考えて最適化を行う。2014年において、テスト入力生成の部分が遅れ気味であるため、この項目の一部として行う。フロー全体を構成した後に見えてきた問題点や改善点を洗い出し、それぞれ修正と改善を行う。 (4)研究成果の評価・まとめ:研究成果をまとめ、国際会議か、論文誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
2014年に参加予定であった国際会議へ投稿した論文が不採録となり、会議への参加自体を見送った。そのため、国際会議参加費と旅費を併せた費用が残額の通り残っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年は、既に5月にEuropean Test Symposium 2015への参加が決定しており、2014年度の残額は、その会議の参加費用として利用する。その他は、当初の予定通りである。
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Research Products
(1 results)