2013 Fiscal Year Research-status Report
暗に型付けられた言語に対する型主導コード補完に関する研究
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25730047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠埜 功 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (10362021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コード補完 / 変数名補完 / 開発環境 / 暗に型付けられた言語 / 関数型言語 |
Research Abstract |
2013年度は、暗に型付けられた関数型言語の核となる言語について、変数名補完方式を提案する論文を国際論文誌"Higher-Order and Symbolic Computation"において発表した。これは関数型言語に関するレベルの高い国際論文誌であり、2012年のACMのプログラム変換に関する国際会議である"Workshop on Partial Evaluation and Program Manipulation"のspecial issueである。今回この論文で提案した変数名補完の枠組みは編集中のプログラムにおいてカーソル位置までの部分プログラムは構文および型に関して正しいという前提で構築されている。ここで、カーソル位置以降に何らかのプログラムを補うことによって構文エラーおよび型エラーがないプログラムになる場合、カーソル位置までの部分プログラムは構文および型に関して正しいとしている。国際会議の論文での問題の定式化および補完候補計算アルゴリズムに若干の修正を加え、健全性について証明した。ここで、提案したアルゴリズムによって計算される変数の集合は問題設定の条件を満たすという性質を健全性と呼んでいる。また、提案したアルゴリズムを簡略化したアルゴリズムについて完全性を証明した。ここで、問題設定の条件を満たす変数は、アルゴリズムによって計算される変数の集合に必ず含まれるという性質を完全性と呼んでいる。これらの健全性、完全性の証明は、Hindley-Milner型推論アルゴリズムにおける完全性と健全性の証明のある種の拡張といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究の目的においては、変数名補完を含むより一般的なコード補完方式を考案する予定であったが、国際論文誌に投稿していた論文について査読者の改訂コメントに対応して論文を仕上げて採録に至っており、これはコード補完方式の最も基本的な場合である変数名補完について、カーソル位置までの部分プログラムの情報のみを用いて型を考慮した補完を行う方式を仕上げたものである。
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Strategy for Future Research Activity |
型が明示的に与えられない場合やプログラムが不完全な場合に対し、変数名補完を含む、より一般的なコード補完方式を確立する。また、構文エラーや型エラーを伴うプログラムに関する補完方式について検討する。また、補完候補計算の計算量を削減するために計算の再利用を行う形にアルゴリズムを改良することについて検討を始める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月頃に開催される国内会議での成果発表、研究調査のための旅費および会議参加費として10万円程度残していたが、予算の効率的使用のために次年度予算に繰り越すこととした。 物品費および国内会議や国際会議の旅費や参加費に充当する。
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