2014 Fiscal Year Research-status Report
電波空間情報データ・マイニングにおける無線システム検出
Project/Area Number |
25730054
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
川喜田 佑介 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (30468540)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ubiquitous computing / IoT / spectrum sensing / RFID / platform |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、無線信号を含む周波数帯域を量子化したデータである電波空間情報を対象とするデータ・マイニングとして、データ取得時に稼働していた無線システムを自動的に検出することを目的とする。電波空間情報チャンクの検出に関する課題として、広帯域に広がる信号から高速度・高精度で中心周波数を検出する手法を提案し、解析的に評価した。送信信号の変動や送信信号に関する知識が受信側にない場合のブラインドスペクトルセンシング技術を対象に、動的に周波数スパンを信号のサイズにあわせ、単一の広帯域信号から単一のピークを検出する手法を提案した。解析的な評価より広帯域の信号においては先行研究より高速度・高精度で中心周波数の推定を行えることを確認した。なおこれらの成果は、電子情報通信学会論文誌(JB)へ採録決定済みである。電波空間情報の利用技術に関係する課題として、電波空間情報のストリーム配信に加えて蓄積利用を可能にするためファイルシステムレベルの圧縮技術の効果について検討した。良好な圧縮率を得るには圧縮する電波空間情報のファイルサイズに適切なサイズがあること、圧縮率は電波空間情報に含まれる信号の割合と関係することを明らかにした。なおこれらの成果の一部を電子情報通信学会ソサイエティ大会に発表済みであり、報告対象の期間後にIEEE Mobile Cloudへ採録され発表済みである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電波空間情報チャンクの検出に関する課題として、前年度までの研究で明確になったスペクトラムセンシング検出閾値の設定や探索ビンより広帯域の信号の検出についての研究課題のうち、後者は論文誌への採録をなし得たものの前者についてはより有力な既存研究の存在が明らかになったため明確な優位性を示せなかった。電波空間情報の利用技術に関係する課題として、ストレージシステムに関する研究に注力しファイルシステムレベルでの圧縮効果のみならずコンテナ型仮想化による性能向上について国際会議採録等の成果が出たが、ストリームデータ処理基盤全体としての研究はできなかった。全体としては、当初の目標より達成できた部分とできなかった部分が混在するため、おおむね順調に推移とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
電波空間情報チャンクの検出に関する課題として、多様な信号に対応するための特徴量定義の一般化とそれに合わせた判別器の開発に取り組む。電波空間情報の利用技術に関係する課題として、生データを記録しながら電波空間情報利用アプリケーションに有用なメタデータを作成するストリームデータ処理基盤とその課題に取り組む。
|
Causes of Carryover |
平成26年度に、電波空間情報記録装置におけるデータ蓄積にログ収集ツールを使用する予定であったが必要な性能を達成できないことが判明した。そこで計画を変更し、ファイルシステムへの直接的なデータ蓄積とファイルシステムレベルでの圧縮の効果を確認する実験を行いその成果を国際会議において発表することとしたため、未使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
先の理由ため、次年度にまたがる機関で開催されるIEEE主催の国際会議での発表(報告期間後に発表済)を行うこととし、未使用額はその経費に充てることとした。
|
Research Products
(6 results)