2014 Fiscal Year Research-status Report
数値シミュレーションにおける高精細表面生成技術の確立
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25730069
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤澤 誠 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (90508409)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 数値シミュレーション / コンピュータグラフィックス / 液体表面生成 / 陰関数曲面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では数値シミュレーション結果の可視化部を技術的に大幅に向上させることを目的とし,液体などの明確な境界を持つ流体のシミュレーションを対象として,流体の詳細な特徴を捉えた表面抽出・追跡手法を開発する.さらにこの取り組みを通じて数値シミュレーションの適用可能な領域を大きく広げることを目的とする. 本年は昨年度開発した粒子法において陰関数曲面フィッティングによって表面を生成する手法を3次元シミュレーションへ拡張するための方法を開発した.3次元化において問題となったのが液体が薄いシート状になる現象である.これまでの方法ではCG分野において最も一般的に用いられているメッシュ生成法であるMarching cubesを用いており,この方法では閉じた曲面が要求される.しかし,陰関数曲面フィッティングでは粒子が1層程度しか存在しないようなシート状の液体形状に対して閉じた曲面を生成することが出来ない.そこで2年目に計画していた高速化のための2次元深さマップを有効活用し,視点から見えている液体表面のみに開いたメッシュを生成する手法を用いることでこの問題を解決し,さらに処理のほとんどを2次元化することで高速化も同時に成し遂げた.その中で効率的な粒子グループ化のアルゴリズム,粒子法線を用いた平滑化法なども開発し,その成果を査読付きの国際会議において発表した.ただし,表面の滑らかさという点ではまだ改良の余地があり,また,既存の手法との比較も十分ではないため,それらの検証を今後進めていく必要がある.さらに高精細な表面生成のためにはベースとなる粒子法シミュレーションにおいて粒子の均一な配置が有効な要素であることが分かり,特に固体境界付近において粒子配置を均一にするための手法も合わせて開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
元々予定してた2年目での2次元深さマップを使用することで,3次元空間での数値シミュレーション結果から滑らかな表面と鋭利な形状特徴という相反する表面形状を1つのフレームワーク上で再現し,高精細な表面形状を復元するための基礎的な技術の開発と高速化を同時に達成し,研究はおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
3次元での詳細な表面生成のためのフレームワークの開発は順調に進んでいるものの,まだ表面の滑らかさという点ではまだ改良の余地があり,また,既存の手法との比較も十分ではないため,それらの検証を今後進めていく.
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Causes of Carryover |
当該年度に購入予定だった機器(評価実験用GPU搭載PC)が在庫不足により購入できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に購入予定だった機器の購入に次年度使用額を用いて,問題となっていた表面の滑らかさの検証を行う予定である.また,平成27年度分については当初の予定どおりに高解像度液晶を用いた評価実験に使用する.
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