2013 Fiscal Year Research-status Report
スパース符号化を用いた大規模画像特徴量データベースの構築
Project/Area Number |
25730070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
手塚 太郎 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (40423016)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スパース符号化 / 辞書学習 / 画像処理 |
Research Abstract |
初年度はスパース符号化を利用した画像処理手法に関し、基礎となる研究を進めた。 現在、様々な分野において注目を集めているスパース符号化は入力信号を少数のテンプレート信号の重ね合わせとして表す操作として捉えることができる。テンプレート信号の集合は「辞書」と呼ばれるが、入力信号の統計的性質に相応しい辞書を使用することで、スパース性の度合いを高めることができる、すなわち使用されるテンプレートの数を減らすことができる。 画像処理で広く使用されているウェーブレット変換ではウェーブレット関数を離散化したものの集合を辞書として使用しているが、さらなるスパース化を実現するため、データを用いて最適な辞書を学習させる手法がいくつか提案されている。これらの手法では計算時間の大きさが問題となっているため、本年度はその高速化の研究を進めた。このような研究は画像処理にとどまらない一般的な応用可能性があり、非常に重要であると考えている。 また、確率分布に対して定義されるカーネルであるフィッシャーカーネルを画像解析に使用する研究に取り組んだ。フィッシャーカーネルは理論的には興味深い手法であり、系列データなどに対しては効果的であることが知られていたものの、画像への応用は数少ないため、本研究によって新たな応用範囲を広げたいと考えている。フィッシャーカーネルではモデルとして仮定される確率分布によっては特徴ベクトルがスパースになるという性質があるため、これに適した変換と組み合わせたカーネルを提案し、実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画全体の基礎となる部分が進んでおり、順調であると考えている。これまでの成果に関し、2014年6月に行われる国際会議において発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、提案手法に基づくソフトウェアを開発するにあたって、基礎的な理論に関わる部分をモジュールとして独立に利用できる形で開発することで、画像処理以外の応用への展開も可能とし、また他の研究者からの評価やフィードバックも得られるように工夫したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度末において、費用が未確定の出張があり、当初予定よりも少ない旅費で行うことができたため、支出が予定を下回り、その分を次年度使用とすることにした。 本来旅費として計画していた額のため、平成26年度において旅費として使用する予定である。
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