2014 Fiscal Year Annual Research Report
並列処理可能な計算資源の有効利用を目的とした資源割り当て手法の研究
Project/Area Number |
25730077
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金光 永煥 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助教 (60434362)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タスクスケジューリング / タスククラスタリング / 並列計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,並列処理可能な不均一な計算機がネットワーク上で分散された環境において,計算資源を有効活用してジョブを並列実行するための方法論を確立することである.具体的にはマルチコアプロセッサを含む,各プロセッサに割り当てる仕事量の下限値を自動的に決定し,少ない計算資源数で応答時間を最小化するというものである. 不均一環境における下限値の導出手法は前年度(平成25年度)で確立させており,最終年度(平成26年度)では下限値以上の大きさとなるまでタスク同士を集約させてタスククラスタを生成するタスククラスタリング,生成されたタスククラスタをプロセッサやコアに割り当てる手法,及びスケジューリングアルゴリズムを開発した. タスククラスタリングの際,最悪応答時間(WSL: Worst Schedule Length)を最小化させるようにタスク同士を集約すればスケジュール後の応答時間も小さくなることは以前の研究で証明済みである.しかしながら下限値を満たすようにタスク同士を集約すれば,WSLが大きくなってしまう場合があるという問題があった.そこで本研究では,タスククラスタリングの段階では確実にWSLが小さくなる場合のみ集約し,そうでない場合は集約しない方針とした.タスクスケジューリング時には,下限値未満であるタスククラスタ内の全タスクは,すでに割り当てられているプロセッサへと移動させる.これにより,割り当てられた全プロセッサにおける仕事量は下限値以上であることが保証される.シミュレーションによる比較により,他のタスクスケジューリング手法よりも応答時間が小さくなることが確認された.
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