2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25730088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野々瀬 晃平 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20644496)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 現場観察 / チーム状況認識 / 航空管制 / インターフェイス評価 / ワークロード / チームインタラクション |
Research Abstract |
本研究では、空港間の航空路管制を司る航空管制官のチームを対象に、オペレーションシステムのインターフェイスが異なる航空管制官のチーム状況認識を比較する手法を相互信念の概念を用いて考案し、オペレーションシステムの違いが航空管制官のチーム状況認識やチーム内のインタラクションに与える影響を明らかにする。 本年度では、チーム状況認識を含むチームワークやパフォーマンスについての評価シートを作成し、それについて航空管制の専門家と協議し、表現や実行可能性を検討し、修正を加えた。続いて、研究協力者である航空管制官2名に評価シートの内容を説明し、現場で適用した。また、ビデオでの撮影が不可能だったため、管制官の行動を、紙とペンによる記述、及びキーワード入力式による記述で記録した。 これらにより、比較対象となる異なるインターフェイスの管制システムにおける管制官の状況認識等の評価、行動記述データ収集が完了した。データには、1セッションを約15分とし、1セッションごとに観察協力者(管制官)がチーム状況認識を含むチームワークや各管制官のパフォーマンスを6段階で評価した結果、約5分ごとに観察対象の管制官のワークロード(作業負荷)等の評価結果、また、観察協力者(管制官)による観察対象の管制官の行動やその理由の記述が含まれている。それぞれ約50セッション分のデータが収集された。 本研究で開発した手法は専門家(航空管制官)による確認を経たものであり、妥当性や信頼性の高さが期待される。また、セキュリティ等の問題でビデオ等での記録が難しい場面においてチーム行動、チーム状況認識の分析や評価を可能とするものであり、それを開発・現場適用した点は意義深いと思われる。今後、より詳細なデータの分析を行い、チーム協調への影響について明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一年目の目標としていた、評価用シートの確認、データの収集が現場の方の協力のもと、完了しており、研究は概ね予定通りに進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後収集されたデータの分析を行い、学会等で成果を発表していく予定である。特に、評価質問紙の結果はそれが記録された時の状況も考慮する必要があると考えており、行動データと一緒に分析する必要があると考えている。また、行動の記述データの記述が一部明瞭ではなく、確認が必要と考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果を発表する予定の学会への旅費、参加費が2年目に当初予定よりも多くかかる可能性が高くなったため。 主に学会での発表及び情報収集の為の経費(旅費、学会参加費)として使用予定である。
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