2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25730095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
木原 健 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (30379044)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 拡張現実 / 視覚的注意 / 自然画像 / オプティカルフロー |
Research Abstract |
重要な情報が、他の情報に重畳あるいは近接して突発的に出現すると、その情報を「見落とす」ことが知られている。車のフロントガラスやヘッドマウントディスプレイにナビゲーション情報が映し出される装置など、近年急速に実用化が進んでいる、現実場面に情報を付加呈示する拡張現実(Augmented Reality: AR)環境は、まさに「見落とし」が起こる条件を満たしている。ただし、このようなAR環境では視野の多くを背景情報が占める一方で、背景情報やその範囲を系統的に検討した「見落とし」研究はないため、背景情報が見落としに及ぼす影響は不明である。そこで本研究課題では、複数の「見落とし」課題を用いて、背景情報と視野範囲が「見落とし」に及ぼす影響を明らかにし、安全で快適なAR環境の実現に資する知見の獲得を目的とした。 本年度は、広視野環境における「見落とし」の誘発メカニズムを明らかにするための第一目標である、「見落としに対する視野の広さの影響の検証」を検討した。特に、視野の拡大に伴って生じるどのような要因が「見落とし」の誘発原因となるのかを特定を目指した。複数の種類の「見落とし」課題を実施した結果、単純な背景刺激が一定方向に運動してオプティカルフローが生じる場合、中心視野に表示される重要情報は背景刺激の影響を受けにくい一方、周辺視野に呈示される重要情報は背景刺激によって「見落とし」が生じやすいことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であった第一目標をほぼ達成できたため、本研究課題は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、第一目標で得られた成果に基づいて、第二目標である、より現実的な環境での広視野背景動画像が「見落とし」に与える影響を検討する。これによって、現在実用化されているAR環境において、「見落とし」の原因と回避方策に関する知見の獲得という、本研究課題の目標達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初次年度に計画していた海外共同研究者との研究打ち合わせを行うため、それに必要な経費を前倒し支払請求したが、余剰が生じたたため次年度使用額が生じた。 前倒し支払請求によって使用した研究打ち合わせは、次年度の研究計画に含まれていたため、研究計画の遂行に支障は生じない。
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