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2014 Fiscal Year Research-status Report

文脈付加により生じるゲシュタルト知覚の比較発達研究

Research Project

Project/Area Number 25730100
Research InstitutionSagami Women's University

Principal Investigator

後藤 和宏  相模女子大学, 人間社会学部, 講師 (20546725)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords知覚的体制化 / まとまり / ゲシュタルト心理学 / チンパンジー / 顔知覚
Outline of Annual Research Achievements

複数要素を1つの「まとまり」として知覚するしくみをチンパンジーとヒトとで比較し,その共通点と相違点を検討した。今年度は,2つの異なるパターンを弁別するときに,それらのパターンとは無関係の文脈を付加することで弁別が促進される効果(パターン優位性効果)の検討に重点をおき,個体識別のための重要な情報である顔を特徴づける目や口がそれ以外の文脈と「まとまり」として知覚されるかを検討した。
これまでに実験を実施した3個体のチンパンジーのデータに加え、ヒト成人20名で実験を実施した。文脈なし条件では顔の一部(目や口)だけを見本刺激として呈示し,文脈あり条件ではそれらの部分を部分とは別の個体の顔に配置したものを見本刺激として呈示し,比較刺激の中から見本刺激と同じものを選択することを訓練した。顔刺激には,チンパンジーとヒトの顔,それぞれ3種類を用い,それらの刺激は正立,倒立の2方向で呈示された。3個体中2個体のチンパンジーは,文脈なし条件よりも文脈あり条件で正答率が低く,この傾向は,顔の呈示方向(正立,倒立)やチンパンジーの顔,ヒトの顔に関わらず一貫していた。さらに,ヒト成人の結果もチンパンジー2個体の結果と一致していた。これらの結果から,ヒトとチンパンジーでは共通して,目や口といった特徴の弁別に対して顔文脈がパターン優位性効果を示さないことが明らかになった。
今後、ヒトの視線とその先にある標的にある物体が「まとまり」として知覚されるかを検討するために予備実験を実施した。視線が正面、左、右の3方向の人物写真を用意し、人物の左手にコップを持っている写真と何も持たない写真を呈示し、視線の動きを計測した。結果、人物の視線方向にかかわらず、人物の目と物体に視線が停留することが明らかになった。今後、物体が視線の先にある場合とそれ以外の場所にある場合で、「まとまり」方の違いを検討したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請書に記載した研究計画の2年目の実験まで実施を完了している。1つの実験では期待した結果とは異なる結果が得られたものの、おおむね順調に進展していると思う。

Strategy for Future Research Activity

顔知覚に関するパターン優位性効果の実験に関しては、期待した結果とは異なる結果が得られた。現在の実験手続きでは、刺激の観察時間は実験参加者任せで統制できておらず、「まとまり」よりも個々の要素のみを手がかりとして利用する方略を取らせている可能性が考えられる。そこで今後、実験手続きを変更し、実験者が刺激呈示時間を制限する方法に変更し、文脈効果の再検討をしていきたい。
また、これまでに実施された実験を数篇の学術論文として成果報告する作業に着手している。最終年度は、国際的な学術雑誌にこれらの成果を報告できるように尽力したい。

Causes of Carryover

ヒト成人を対象とした視覚実験環境を構築するための実験装置(Bits #)を新しいオペレーティングシステム(Mac OS Yosemite)で動作しなかったため、業者に問題を報告し、動作確認が取れるようになるまで、輝度計測器の購入を遅らせたため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

最終年度には輝度計測器の購入し、実験装置に組み込む計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] ヒト幼児におけるパターン優位性効果と探索非対称性2014

    • Author(s)
      後藤和宏・飯島真央・板倉昭二
    • Organizer
      日本基礎心理学会第33回大会
    • Place of Presentation
      首都大学東京 南大沢キャンパス
    • Year and Date
      2014-12-06 – 2014-12-07
  • [Book] 動物たちは何を考えている? -動物心理学の挑戦-2015

    • Author(s)
      藤田和生 編著
    • Total Pages
      304
    • Publisher
      技術評論社

URL: 

Published: 2016-06-01  

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