2013 Fiscal Year Research-status Report
観察学習における他個体の情動反応の利用と島皮質機能の解明
Project/Area Number |
25730103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
加藤 陽子 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 博士研究員 (50584520)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マーモセット / 観察学習 / 情動発声 |
Research Abstract |
他個体の行動を参照し、その行動を模倣することを観察学習とよぶ。本研究では観察学習場面において他個体の情動反応が学習の手掛かりになっているかを、小型霊長類マーモセットを用いて明らかにする。本年度は、マーモセットの観察学習について、定量可能な実験場面の探索を行った。マーモセット4個体(オス2、メス2)を用いて、ディスプレイ上で他個体の映像を見たときの反応と、実際に他個体が行動する場面を見たときの反応を評価した。また観察場面として、新奇な物体に対する反応と、新奇なエサに対する反応を評価した。結果、実際に他個体を観察すること、および、新奇な物体よりもエサを提示することが、観察個体の自発的な行動反応を誘発することが示された。また情動反応として定量できる発声行動の抽出を行った。正の情動に関連した発声を給餌場面、他個体との対面場面で定量し、thrill、twitter、food callを抽出した。また負の情動場面として天敵刺激との対面時における発声を定量し、tsik、tsikeg callを抽出した。これらの行動実験結果に基づき、実験的に音声を付与、剥奪した場面において観察学習に変化がみられるかを検討する。また島皮質の観察学習にたいする機能を検討するため、本年度は局所脳部位への薬理注入手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標である行動実験場面の設定および、来年度の注入実験の準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
設定した実験場面において、さらに2頭の行動反応を定量することを目指す。また薬剤の局所注入手法を洗練させ、機能阻害個体において行動反応の変化がみられるかを定量する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験の進捗に応じた適切な消耗品類の購入を行った結果、僅かな余剰を生じた。 実験の進捗に応じた消耗品類(実験試薬)の購入に充てる。
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