2013 Fiscal Year Research-status Report
実世界センシングにより得られる環境依存情報を活用した環境適応型画像認識
Project/Area Number |
25730110
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
出口 大輔 名古屋大学, 情報連携統括本部, 准教授 (20437081)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 環境適応 / 画像認識 / 環境依存情報 / 実世界センシング |
Research Abstract |
本研究課題では,実世界をセンシングして得られる種々の情報から環境特有の情報を環境依存情報として抽出し,この情報を活用することで物体検出器・認識器の性能を実際に使用する環境に応じて最適化する画像認識技術の確立を目的とする.このような環境適応型の画像認識技術を実現するためには,(i)実世界センシングにより得られる情報から環境依存情報を抽出する仕組み,(ii)環境に応じて物体検出器・認識器を自動的に再構築する仕組み,の2つの技術を解決する必要がある.本研究課題では,車載カメラ映像からの道路環境認識を対象とし,道路環境認識に大きく影響を与える環境変化として,撮影場所(市街地,郊外,他),天候や季節,の2つに焦点を当てる.平成25年度は,(a)多様な撮影場所を含む車載カメラ映像データベースの構築,(b)撮影場所の違いを環境依存情報として捉えた環境適応型の物体検出・認識技術の開発,(c)物体検出器・認識器の動的な更新技術の開発,の3項目を実施した.(a)においては,車載カメラおよびGPSを搭載した車で市街地,住宅地,郊外,といったさまざまな道路を走行することにより,7時間以上の位置情報付きの車載カメラ映像データベースを構築した.(b)においては,撮影場所の変化を捉える第1段階として,GPSにより得られる位置情報を環境依存情報として利用する環境適応型の画像認識手法を開発した.ここで,GPSにより得られる位置情報のみでは,同じような見えを持つ環境であったとしても,別々の環境として区別される.この問題を解決するために,車載カメラ映像から得られる画像特徴量を用いて同じような見えを持つ環境を統合する技術を開発した.また,車の進行方向を考慮した統合を行うことにより,同じ位置であっても見えが異なるという問題にも対処した.(c)においては,半教師付き学習の枠組みを用いた適応型の学習手法を開発した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,当初の計画に掲げた,(a)多様な撮影場所を含む車載カメラ映像データベースの構築,(b)撮影場所の違いを環境依存情報として捉えた環境適応型の物体検出・認識技術の開発,(c)物体検出器・認識器の動的な更新技術の開発,の3つを実施し,(a)に関しては市街地,住宅地,郊外,といったさまざまな道路を走行した7時間以上のデータベースを構築した.(b)に関しては,GPS情報を活用した環境適応型物体検出手法を開発し,国際会議にて発表を行っている.また,(c)においても国際会議にて発表を行っている.これらのことから,概ね順調に研究は進捗していると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に構築したデータベースを,天候・季節変化を含む車載カメラ映像データベースへと拡張する.そして,このデータベースを用いて天候・季節の違いを環境依存情報として捉えた環境適応型の物体検出・認識技術を開発する.また,平成25年度に開発した半教師付き学習の枠組みを用いた適応型の学習手法を発展させ,車載カメラ映像を用いた道路環境認識に特化したオンラインでの学習と認識の仕組みを開発する.特に,精度面と速度面の両方で手法を評価し,実時間で動作するデモシステムの実現を目指す.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後リリースされるCPUおよびHDDのロードマップを参照したところ,本課題の目標達成に必要となる十分な性能を持った機器を今年度調達することが困難であると判断したため. 今後のCPUおよびHDDのロードマップと照らし合わせながら,今年度の可能な限り早い時期に機器を調達できるよう準備を進める.
|