2015 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントを用いた工業地帯における熱エネルギー統合システムの開発
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25730137
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 直樹 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00432857)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱エネルギー統合化 / プラント情報の交換 / 化学プラント用XML文書型定義 / 調整アルゴリズム / 調整プロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
近接する化学プラント間での熱エネルギー統合化システムのため、エージェントのコミュニケーション機能と情報管理・協調機能を利用したフレームワークの構築を行った。 平成25年度は、「化学プラント間エネルギー統合のために必要な情報の抽出(課題A)」に取り組んだ。化学プラントには、設計情報や運転状態、経済性など多岐に渡る情報が存在する。プロセス流体の流量, 温度, 圧力, 組成(物性)などの具体的な運転情報は、各企業の競争力に直結するため開示することは難しい。一方で熱エネルギー統合化のためには、具体的な情報が全て明らかである必要はなく、プロセス流体の流量や組成から決定される熱容量(CP値)と温度などの限られた情報のみ分かればよいことがわかった。加えて、これらの情報を交換するための情報記述方式として、化学プラント用のXML文書型定義に取り組んだ。これにより各プラントのシステムが異なっていても柔軟な情報交換が可能であると考える。平成26年度は、熱エネルギー統合案の作成アルゴリズム(課題C)を検討した。また、「化学プラント間調整プロトコルの確立(課題B)」については、各プラントを担当するマネージャエージェントとコーディネータエージェント間での通信手順を定義・実装し、シミュレーションを行なったところ、複数のエネルギー統合案(省エネ化案)を得ることが出来た。 これらの案の中には、すべてのプラントに均等にメリットがあるものもあれば、メリット/デメリットが偏っている案など種々の統合案があり、「統合案の評価手法(課題D)」を平成27年度に検討した。結果としてプラント間での利益分配により、工業地帯全体の熱エネルギー効率の大幅な向上を見込めることが分かった。
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