2013 Fiscal Year Research-status Report
少数データから多数データを複製する進化計算の開発とポートフォリオ複製問題への応用
Project/Area Number |
25730148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
折登 由希子 広島大学, 社会(科)学研究科, 講師 (60364494)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 進化計算 / 等式制約の無制約化 / 探索空間の変換 / ポートフォリオ複製 |
Research Abstract |
平成25年度は、制約付き最適化問題において制約が課されることにより発生している進化計算の探索鈍化の問題(評価値の最小化と解の改良が一致しないという問題)を改善するため、等式制約を無制約化することに着目した新たなモデルを提案した。本モデルは、三角関数の性質を利用することで、等式制約のある解空間の一部を等式制約のない解空間に変換する。実応用として、ポートフォリオ複製問題に対して提案モデルを適用し、進化計算の等式制約に起因する探索鈍化の問題が解消できることを示した。 従来研究のほとんどは、制約付き最適化問題において進化計算により探索される制約外の実行不可能解を実行可能解に修正することで解探索を行うアプローチを取ることが多い。しかしながら、本研究は、探索前に制約付き解空間を無制約化した解空間に変換するというアプローチをとっており、従来研究にない新たなモデルを提案している。また、提案モデルの効果は進化計算の特定の手法に依存しないという一般性という点でも意義がある。 一方、少変数の情報のみから多変数で構成される解を複製する、つまり不定解の集合の中から真の解を見つけるという問題の改善については今後さらなる検討が必要である。本年度提案したモデルを利用し、動的な解空間を探索することで不定解を複数探索する進化計算の開発、また、多変数から重要度の高い変数を抽出し、その重要な少変数のみから多変数で構成される解を複製することを試みる。重要な変数の抽出方法については、実験計画法や情報エントロピーだけでなく高次元変数の可視化手法をもとに検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、研究計画通りに、1.複製問題の定式化、2.実行可能解が存在する解空間の調査を行い、3.重要度の高い変数の抽出手法を検討、解析している最中である。 本年度の成果として、査読付き論文誌に5件の論文が採択され、国内外の会議において17件の発表を行った。このため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、少変数の情報のみから多変数で構成される解を複製する、つまり不定解の集合の中から真の解を見つけるような進化計算の開発を行う。 不定問題の解決は非常に困難であるが、以下の2つのアプローチから改善を試みる。 1.平成25年度に提案したモデルを拡張し、探索する解空間を動的に変化させることで不定解を複数探索する。 2.解を構成する変数の中で重要度の高い変数を抽出することで、重要な少変数から多変数で構成される解を複製することを試みる。重要な変数の抽出については、実験計画法、解の多様性を測定する情報エントロピー、論理分析手法など高次元変数の可視化手法などをもとに検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に採択・公表された論文の論文誌掲載料の請求が平成26年度に行われるため使用額の繰り越しを行った。 平成26年度において請求される論文の論文誌掲載料に利用する。
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Research Products
(22 results)