2013 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を利用した反応材料分布と環境エネルギー条件の推 定法構築
Project/Area Number |
25730154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
城 真範 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (90357244)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 機械学習 / 分子シミュレーション / モンテカルロ法 / 低分子 / 生命発生 |
Research Abstract |
機械学習を利用した新しい低分子専用の反応シミュレーション手法を構築するため、初年度である本年度は、主に文献調査と、関係する専門領域の研究者とディスカッションを多く行った。特に計画を中心に研究会等で積極的に発表し、広く興味を持ってくれた研究者との議論を行い、設計システムの問題点と改良方法、利用可能な既存技術、ライブラリなどを横断的に調べた。その結果、本提案システムは十分に実現可能であるものの、類似の先行研究が存在し、さらにその問題点を克服することで、新しい方向性の意義を提案できることが分かった。 具体的には、申請時の方法では反応に関係する分子が同時に3つ以上である場合(最も簡単な場合は水素の燃焼である)をシミュレートできなかったが、分子が遊離してイオンになる過程(反応の素過程)も一つの化学反応として解釈することで、これを克服できることが分かった。また、プロトタイプの作成により、着目分子以外をすべて平均場と見なすと、探索空間に対して反応履歴の時系列が不足し収束しにくいことも分かった。そこで、分子を種類と運動エネルギーで区分し保持する方法を考案した。類似の先行研究としてGillespieアルゴリズムが存在するが、平衡定数として実験値を参照する必要があるため、複雑で未知の反応には利用できない。そこで、現在のところ、申請時のアイデアと反応の素過程に踏み込む方法を併用して、これを改良することに取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査、発表、プロトタイプのプログラム作成などをバランスよく行い、概ね想定される進展をしていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は実際の実装を行い、具体的な問題に取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会での発表を申し込んだが、採択されなかったため。また、研究の進展に伴い、プログラム外注のための仕様書に変更が生じ、初年度の作成委託に間に合わなくなったため。 今年度も積極的に国際学会での発表に申し込み、成果を発信するとともに、早期にプログラム外注のための仕様書を確定し、完成させる。
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