2016 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を利用した反応材料分布と環境エネルギー条件の推 定法構築
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25730154
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
城 真範 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (90357244)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 化学反応 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
機械学習を利用した新しい低分子専用の反応シミュレーション手法を構築するため、本年度も引き続き、他機関を含めた幅広い研究者と積極的に議論し、実装とその改良を行った。現時点では反応時の計算負荷を減らすため、分子基単位の計算において新しい分子が生成されたとき、乖離しうる全パターンをメモリ上に持つという、やや強引な設計となっている。パターンは指数的に増大するので効率は悪い。環状分子などでも結合点を与えるだけで適切な分解を高速に計算できる仕組みを考えているところである。 設計は可搬性を考慮して標準C++11の枠を出ないようにしているが、その枠内での並列化も今後の課題である。 また、本来量子計算をするべき化学反応を粗視化によって回避することが本課題のテーマの一つであるので、成果を論文として公刊するには正確と考えられる量子計算あるいは実際の化学実験との結果を比較する必要があるが、その点でデータ入手の壁にぶつかっている。本研究がテストケースとして行っている簡易な計算は量子計算における主要なテーマでないため、比較のためのデータが見つけてられていない。今後より積極的に他機関の研究者との連携が不可欠である。 その他、本テーマを実行する上で様々なテスト用の擬似的なデータを(半自動的に)生成する必要があり、そのためのシステム構築を引き続き行った。 結果は広く国民に無償利用していただけるよう、将来的な公開を前提として準備しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
UPSの劣化と停電のため、開発中のソースコードと計算結果とそれらのバックアップが同時に失われるという事故があり、現在一部コードの書き直しをしているところである。そのため実施期間の延長を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
コードの書き直しが終わり次第計算を再開し、また量子計算のみならず実際の化学実験の結果を何とかして入手する方法を検討している。論文化はその結果次第であるが、それに関わらず本年度末までにプログラムと簡単なチュートリアルは公開する予定である。それらは少なくとも教育目的には利用可能であると考える。
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Causes of Carryover |
一部の計算コードと結果がバックアップと共に失われる事故があったため、想定外のプログラム書き直しのための時間を要したこと。この書き直しは現在も続いている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にMATLABの使用経費と発表にかかる経費に充てる予定である。
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