2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25730155
|
Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
平山 淳一郎 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (80512269)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 機械学習 / 生体信号処理 / 脳機能イメージング / ブレイン・マシンインターフェイス |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 昨年度より継続し、主に脳波(EEG)や脳磁図(MEG)の教師なし信号解析を目的とした階層型統計モデルの開発と評価を実施した。本年度は特に(1)手法面での改良と(2)シミュレーション・実データ解析による有効性評価の2つを主に行った。成果はNeural Computation誌に採択された。従来の2ステップ法と比較して階層モデルによる統合解析の有効性を初めて明確に示した点、近似に依らない実用的なアルゴリズムを提示した点で意義が大きい。 (1) 提案手法は脳活動に有限個の異なる状態を仮定し、計測信号から分離した脳信号源の活性化パターンを各状態へ教師なし分類する。ここで真の状態数は未知のため、適切に決定する手法が必要となる。本年度において、一般の混合分布モデルにおける状態数選択手法を提案モデルに新たに適用し、性能評価を実施した。その結果、ベイズ情報量基準による方法の有効性を確認した。 (2) 人工データを用いたシミュレーションによって、異なる条件(ノイズの大きさ、真の状態数の違い等)における提案手法の有効性を検証した。また、昨年度実施した安静時EEGデータを用いた解析を複数被験者、異なる周波数帯の解析に拡張し、結果の一般性について検証した。これらを通して、階層的な統計構造を適切に取り扱う提案方式の意義を明確にした。 2. 前年度に開発した結合性変動を少数の集団間結合に分解する新たな手法について、シミュレーションと安静時fMRIデータ解析を実施し、成果を論文誌に投稿した。また、各々の要因として3集団以上の関係を取りうるよう一般化した拡張を試作し、予備的なシミュレーションとfMRI解析を実施した。また、階層型統計モデルとしての解釈を明確にした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
基本的な階層型統計モデルの開発が完了し、計画通りシミュレーションや実問題を通した検証や性能評価を実施した。今年度に予定していたDeep Learning手法との比較は次年度に実施を移したが、本来次年度の計画であった安静時EEG/MEGデータへの適用を先取りして実施し、早期の論文誌への成果発表につながった。また、結合性解析の新たな手法開発も順調な進展を示し、本課題で主眼とする階層型統計モデルとしての位置づけも明確となった。全体として、順序の多少の前後はあるが、計画以上の進展が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
開発した基本的な階層型統計モデルをもとに、EEGやMEGの実データ解析への応用を引き続き行う。また、今年度に得た知見に基づき、モデルの制約の緩和やモデル自体の拡張を実施する。特に複数周波数帯の同時解析と複数の状態変数の導入について、それぞれ試作して有効性を評価する。拡張した手法はDeep Learningもしくは類似する既存の階層型EEG/MEG解析手法と比較し、有用性を検証する。また、本年度に拡張した結合性変動解析の理論的基礎を確立し、シミュレーションと実データ解析によって有効性を評価する。
|
Research Products
(2 results)