2014 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットを用いたラットのストレスレベルの推測および操作が可能な実験系の開発
Project/Area Number |
25730161
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石 青 早稲田大学, 理工学術院, その他 (80571330)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 異分野融合研究 / 自律システム / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、動物心理学、ロボット工学の融合により、ロボット技術を用いてラットのストレスレベルを定量的に推測、操作可能な新たな実験系の開発を目的としている。2014 年度は、ラットのストレスレベルを推測できるロボットの行動、ラットの行動、ラットのストレスレベルの関係モデルの導出した。その上、ラットのストレスレベルを操作する為のロボットの動作アルゴリズムの開発を行ってきた。 1.研究成果を公表するため、国際学会(ICRAとROBIO)2回発表し、ジャーナル論文1本IEEE/ASME Transactions on Mechatronicsに採択された。特に、上記国際学会で発表した論文は、Best Cognitive Robotics Paper-Finalist (ICRA) と Best Conference Paper Finalist(ROBIO)を受賞した。 2.ロボットと相互作用実験を行うことで、ラットのストレスレベルに関する行動を計測し、必要なパラメータと各パラメータの係数を導き、ラットのストレスレベルと行動の関係モデルを多項式を近似した。また、ロボットの行動は、ラットのストレスレベルとの関係モデルも導けた. 3.これまで開発した認識モジュール、行動生成モジュール、関係モデルを実際にラット形ロボットWR-5 に実装し、評価実験を行った。敵対のインタラクションを行った後、ラットのストレスレベルを増加したことを確認した。一方で、友好のインタラクションを行うことで、ラットのストレスレベルを低減する傾向を検証した。 本研究の成果は、動物の行動を調査の対象とする諸分野に新しい実験手法を提供するものであり、同時に、それらの実験における社会行動の再現性や実験条件の統制の向上に資するものである。また、これを応用することで、より妥当性の高い精神疾患モデル動物の作成が可能となり、精神疾患のメカニズム解明や治療薬の開発に貢献できると期待される。
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