2014 Fiscal Year Research-status Report
高次エピゲノムが生み出す生命情報を読み解く統計解析法の開発
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25730173
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島村 徹平 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (00623943)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオインフォマティクス / ベイズモデル / 次世代シークエンサー / 高次クロマチン構造 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
エピゲノムによる遺伝子発現制御機構を解明するためには、ヒストン修飾やDNAメチル化などの科学的制御が関与する一次エピゲノム機構に加えて、クロマチン構造変化などの物理的制御が関与する高次エピゲノム機構を解析することが重要である。本研究課題では、統計科学による数理モデリングとスーパーコンピュータによる大規模計算の融合により、クロマチン相互作用を網羅的に解析するChIA-PETから得られる高次エピゲノムデータから、クロマチン相互作用過程をベイズモデリングにより解析し、高次エピゲノムによる遺伝子発現制御機構を解明するための統計解析手法を開発する。平成26年度は以下の二点に進展があった。
① 前年度開発したクロマチン相互作用過程のベイズモデルとその推定法の改良を行った。具体的には、ChIP-seqによるタンパクの結合やヒストン修飾、FAIRE-seqによるクロマチン開閉領域の共局在情報を事前情報として取り込むベイズ推定法を開発した。また、シミュレーションデータおよび実データによる構築されたモデルの有用性を検証した。
② クロマチン高次構造情報を取り入れた遺伝子発現制御機構に関する数理モデルの構築を行った。具体的には、①のベイズ推定を用いて、二種類の細胞株(A549、HUVEC)のChIA-PETデータを解析し、細胞の特異性を決める転写ファクトリーを同定し、構造の違いがどの程度転写ファクトリーに存在する遺伝子の発現に影響を与えるかをモデル化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、平成26年度は本研究課題に必要な解析の要素技術を深化させ、研究協力者との共同研究も順調に進めることができたが、研究代表者の所属先研究機関の変更と新しい研究室の立ち上げ作業により、モデルの検証作業に一部遅延が生じた。そのため、当初の研究計画を一部変更し、モデルの検証および研究成果の発表を平成27年度に引き続き行うこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに行った研究成果を踏まえ、高次クロマチン構造データ解析の理論基盤を構築し、高次クロマチン構造による遺伝子発現制御機構の解明を目指す。また、得られた研究成果を論文として投稿し、国内外での学会発表のほか、開発したソフトウェアの公開を通して、広く社会へ発信する。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、平成27年3月までに、数理モデルの構築および実データを用いたモデルの検証実験を実施するとともに国際学会において研究発表を行い、研究成果をとりまとめる予定であったが、研究代表者の所属先研究磯関の変更と新しい研究室の立ち上げ作業により、当該研究に関する実験に遅延が生じたため、全体の研究計画の進捗が遅れ、当初の研究訓画を変更する必要が生じ、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、前年度に行うことができなかったモデルの検証と国際学会での発表を次年度行うこととし、未使用額はそのための経費に充てることとしたい。
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[Journal Article] Loss of CDCP1 expression promotes invasiveness and poor prognosis in esophageal squamous cell carcinoma2014
Author(s)
Sawada G, Takahashi Y, Niida A, Shimamura T, Kurashige J, Matsumura T, Ueo H, Uchi R, Takano Y, Ueda M, Hirata H, Sakimura S, Shinden Y, Eguchi H, Sudo T, Sugimachi K, Miyano S, Doki Y, Mori M, Mimori K
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Journal Title
Ann Surg Oncol
Volume: 21
Pages: 640-647
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Biallelic DICER1 mutations in sporadic pleuropulmonary blastoma2014
Author(s)
Seki M, Yoshida K, Shiraishi Y, Shimamura T, Sato Y, Nishimura R, Okuno Y, Chiba K, Tanaka H, Kato K, Kato M, Hanada R, Nomura Y, Park MJ, Ishida T, Oka A, Igarashi T, Miyano S, Hayashi Y, Ogawa S, Takita J
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Journal Title
Cancer Res
Volume: 74(10)
Pages: 2742-2749
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Allelic imbalance at an 8q24 oncogenic SNP is involved in activating MYC in human colorectal cancer2014
Author(s)
Sugimachi K, Niida A, Yamamoto K, Shimamura T, Imoto S, Iinuma H, Shinden Y, Eguchi H, Sudo T, Watanabe M, Tanaka J, Kudo S, Hase K, Kusunoki M, Yamada K, Shimada Y, Sugihara K, Maehara Y, Miyano S, Mori M, Mimori K
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Journal Title
Ann Surg Oncol
Volume: 21
Pages: 515-521
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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