• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

合成生物学的手法を用いた人工共生システムの構築と解析

Research Project

Project/Area Number 25730176
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

鮎川 翔太郎  東京工業大学, 情報生命博士教育院, 特任助教 (70645845)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords合成生物学 / 人工遺伝子回路 / 微生物共生系
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、人工遺伝子回路を用いて二種類の大腸菌がお互いを助け合うことで、両方の生存が可能になる相利共生を形成するシステムを構築し、シミュレーションとともにその挙動を解析することで、共生システムの実現に必要な条件をみつけることである。このために、異なる人工遺伝子回路を導入された大腸菌同士が、細胞間コミュニケーション分子を介してお互いの状態を感知し合い、相手からのコミュニケーション分子が存在するときのみ生存が可能になる、というシステムを構築し解析を行う。
平成25年度の時点で、人工共生系を構成する二種類の大腸菌のうち一種類が自身が生産するコミュニケーション分子に反応してしまうことで共生関係が崩れるという問題が生じたため、平成26年度はまずこの問題を解決するために人工遺伝子回路の改良を行った。具体的には、コミュニケーション分子を合成する酵素とコミュニケーション分子を受け取る転写調節タンパク質のセットを、異なる菌由来のものに変えることで、コミュニケーション分子の混線が起きない人工遺伝子回路を作製した。つづいて、作製した人工遺伝子回路を導入した二種類の大腸菌を共培養することで、両方の大腸菌の増殖率が上がることを確認した。この結果は、人工遺伝子回路が導入された二種類の大腸菌が相利共生していることを示唆している。さらに、人工遺伝子回路の数理モデルを作成し、数値シミュレーションにより、設計した共生システムが実現するパラメータ範囲を調べ、共生システムの存在可能性を調べた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、前年度に生じた人工共生系を構成する二種類の大腸菌のうち一種類が自身が生産するコミュニケーション分子に反応してしまうという予定外の問題を解決し、人工遺伝子回路を導入した二種類の大腸菌が相利共生していることを培養実験によって確認することが出来た。また、数値シミュレーションによって、設計した共生システムが実現するパラメータ範囲を調べ、共生システムの存在可能性を調べることが出来た。これらの成果から、研究がおおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

本年度で、二種類のコミュニケーション分子が混線しないプロトタイプの人工遺伝子回路が完成し、培養実験の系が立ち上がっている。今後は、培養実験によって必要なパラメータを測定し、観察結果とシミュレーション結果を比較してシステムの微調整を行う。さらに、wet実験とシミュレーションを用いて、システムの一部を変更したときシステムの挙動がどのように変わるかを確認する、という計画通りのステップを取ることで、人工共生システムを完成させる。

Causes of Carryover

人工共生系を構成する二種類の大腸菌のコミュニケーション分子が混線することで、共生関係が崩れるという問題が平成25年度の時点で生じていた。この解決のため、平成26年度は遺伝子回路の改良を行ったのち、培養実験の結果とシミュレーションを比較して微調整を行うという結果を立てた。しかし、遺伝子回路の改良に時間がかかったことで、シミュレーション結果との比較と微調整を行うまでにはいたらなかったため次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

培養実験の結果とシミュレーション結果に基づいた遺伝子回路の微調整の実施を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。なお、遺伝子回路の微調整とは、回路の部品であるプロモータやコミュニケーション分子の合成酵素に変異を導入することで、活性の異なる遺伝子回路を多数作製することである。この実験のためにオリゴDNAを多数用意する必要がある。
また、研究成果の学会での発表や論文発表も予定しており、この費用にも次年度使用額を当てたいと考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 合成生物学的アプローチに基づく2細胞の相互遺伝子発現制御システムの構築2015

    • Author(s)
      木賀大介, 西田暁史, 鮎川翔太郎
    • Organizer
      日本農芸化学会2015年度年会
    • Place of Presentation
      岡山大学津島キャンパス
    • Year and Date
      2015-03-28
  • [Presentation] 人工遺伝子回路を用いた微生物共生システムの構築2015

    • Author(s)
      鮎川翔太郎, 西田暁史, 木賀大介
    • Organizer
      日本農芸化学会2015年度年会
    • Place of Presentation
      岡山大学津島キャンパス
    • Year and Date
      2015-03-28
  • [Presentation] 人工微生物共生システム構築のための合成生物学的アプローチ2014

    • Author(s)
      鮎川翔太郎, 西田暁史, 木賀大介
    • Organizer
      「細胞を創る」研究会7.0
    • Place of Presentation
      東京大学弥生キャンパス
    • Year and Date
      2014-11-13 – 2014-11-14
  • [Presentation] 共生系への合成生物学的アプローチ2014

    • Author(s)
      西田暁史, 鮎川翔太郎, 山村雅幸
    • Organizer
      環境微生物系学会合同大会
    • Place of Presentation
      アクトシティ浜松コングレスセンター
    • Year and Date
      2014-10-21 – 2014-10-24

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi