2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25730198
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
藤原 正仁 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (20422404)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲーム環境 / コミュニケーション / 世代継承性 / レーティングシステム / リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、過年度の研究成果を踏まえ、デジタルゲームの社会的受容について明らかにすることを目的として、ゲームユーザ保護者への半構造化面接調査を実施した。 調査対象者は、自身がデジタルゲームをプレイした経験を有し、普段、デジタルゲームをプレイしている子供を持つ保護者12名とし、ゲームプレイ時間が上位20%の者を6名、中位60%の者を6名、子供の学齢が小学生、中学生、高校生で各4名、保護者の性別が男女で各6名となるように抽出した。主な調査項目は、保護者および子供のデジタルゲームとの関わり方やプレイ環境、ゲームの表現や内容、青少年に及ぼす影響、レーティング制度・禁止表現への考え方、ゲームの販売・購入方法などであった。 その結果、第一に、50代の保護者と30代~40代の保護者では、ゲームとの関わり方が異なり、いずれもゲームがコミュニケーションメディアとして機能していたことが明らかにされた。第二に、子供のゲームとの関わり方は、家庭用ゲーム機とスマートフォンとで異なり、後者は単独でプレイされている。また、いずれも、ゲームのプレイ時間や課金について、家庭内で取り決めがなされていることが明らかにされた。第三に、保護者のゲームの内容や表現に対する考え方は、ネガティブな意見とポジティブな評価の両義性がみられた。例えば、ネガティブな意見としては、仮想世界と現実社会との境界の揺らぎへの懸念、暴力的表現に対する懸念、ゲームプレイ中の汚い言葉遣いが指摘され、ポジティブな評価としては、ゲームの学習効果や子供とのコミュニケーションツールとなり得ることなどが挙げられた。第四に、ゲームの販売方法に対する考え方は、年齢確認の徹底やゲームに含まれる表現内容の提示などが挙げられた。 本調査より、保護者のゲームプレイ経験が子供のゲームとの関わり方にも影響を及ぼすこと、ゲームリテラシーを涵養することの重要性などが見出された。
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