2013 Fiscal Year Research-status Report
音声利用可能な日本語対話訓練用ディストグロスシステムの開発
Project/Area Number |
25730204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小暮 悟 静岡大学, 情報学研究科, 講師 (40359758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知的学習支援システム / 第二言語学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は,日本語を第二言語とする日本語初学者が日本語を学習するために用いるディクトグロスシステムを音声入力が扱えるように拡張し,日本語初学者がより現実的な環境で学習できるようにすることである.初年度の25年度においては,特にオリジナルのディクトグロスシステムの改良を行った. この成果は平成25年9月に静岡県で開催された教育情報システム学会研究会にて``FonFを指向する日本語ディクトグロスシステムの開発と評価''というタイトルで,また,平成25年11月にインドネシアで開催された The 21st International Conference on Computers in Education (ICCE 2013) にて ``Evaluation of an Improved Dictogloss System Oriented for Focus on Form'' というタイトルで報告している. 留学生を対象とした日本語の講義を担当している教員に,第二言語として日本語を学ぶ初学者が特に詰まるであろう言語表現について聞き取りを行った.また,同様に,平成24年度までに構築済みのディクトグロスシステムを実際に数名の留学生に使用してもらい,その中で日本語のどんな項目についてシステムを使って学びたいか調査を行った.その聞き取りや調査を元に,日本語学習における重要な学習項目として,敬語表現,文接続の表現などを取り上げた. 現在これらの表現に関して学習者エージェントと学習者が簡単に対話ができる枠組みを構築中である.こちらはまだ対外発表は行っていないが,The 22nd International Conference on Computers in Education (ICCE 2014) に投稿予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書においては,平成25年度の目標として(a)「初学者と学習者エージェントのやり取りを様々なコーパスを用いて分析する」(b)「学習者エージェントとの対話を実現する」を上げている. (a) については実際の留学生にシステムを利用してもらってからのシステムの操作履歴と個別アンケート,日本語講義の担当教員に対しての日本語学習に関する聞取りは行ったものの,コーパスの調査は数個程度しか実施できず十分な量の調査ができたとは言えない. (b) については(a)の調査を元に,学習者と学習者エージェントがどのような対話ができればいいか,それを実現するにはどのような情報を管理すればよいかについては研究協力者との議論をへて固まっているが,まだ実装しての評価には至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度において述べたように,研究進捗としてはやや遅れている.そのため,まずは平成25年度にすべきであった内容を終わらせていく必要がある.国内外の学会への発表・投稿も含め遅れを取り戻しつつ,平成26年度以降の研究を順次進めていく. 平成25年度までの積み残しが終了後,「日本語初学者を対象とした音声認識技術を開発」し,「ユーザプロファイルを備えたディクトグロスシステムを実現」していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費,およびその他に含んでいた学会参加費について,当初予想していた金額よりも低い金額で収まったことが挙げられる.特に国内での業績発表一件が所属大学開催であったことから旅費が発生しなかった. 平成26年度以降,本研究における成果を上げることで,学会・国際会議においてより発表件数が多くなることが予想されるため,差額分を平成26年度に計上することとした.
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