2013 Fiscal Year Research-status Report
対面型協調学習支援のための対話指導モデルの開発と実践適用
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25730210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽山 徹彩 金沢工業大学, 工学部, 講師 (00432138)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 協調学習支援 / 対面型議論 / 事前知識の活用 |
Research Abstract |
本研究課題では,直接対面型の協調学習で学習者が話し合いながら知識を構築する過程を支援するための対話指導モデルを構築し,実践適用することを目的とする.2013年度では,要素技術の開発とそれを統合したプロトタイプの構築,および評価検証を行った. 要素技術では協調学習の対話中に事前学習で得られた学習知識を活用するために,実世界指向の対話状況取得インタフェースと情報提示インタフェースを開発した.その対話状況の取得のために,音声認識技術とRFIDセンサー技術を用いて,各ユーザの発話内容や発話中に利用した学習資料を特定し,それらに含まれる単語集合の遷移時系列を実時間で検知できるようにした.そして,各ユーザが対話学習を促進する情報を提示するために,対話状況と事前学習で用いた学習資料との関連度を算出し,その結果を順位表示できるようにした. プロトタイプの構築では4~6人程度の対面型協調学習をシステムが実時間で処理できるように,開発してきた要素技術をサーバ・クライアントシステムとして統合した.具体的には,対話状況と事前学習でのデータベースとデータ処理を,それぞれサーバシステムとクライアントシステムに分配した. 評価検証では開発技術の機能性と有効性を確認するために,4人組の対面型協調学習のなかで本システムを利用した場合と利用しない場合を比較する実験を延べ4回実施した. その結果,各要素技術が対面型協調学習のなかで適切に機能することが確認できた.また対面型協調学習のなかで開発システムを利用した場合には議論の対話状況に応じた学習資料の活用を促進させ,活発で満足感の高い議論とすることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
直接対面型の協調学習で学習者が話し合いながら知識を構築する過程を支援するための手法を開発し,プロトタイプシステムを構築した.プロトタイプシステムにより,提案手法の効果を確認できた点で,本研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで開発してきたプロトタイプシステムを対話型学習を取り入れた授業のなかで用いることで,提案手法の有効性を確認する.そのために,授業で運用できるように,授業カリキュラムに適用するシステムに修正し,ユーザビリティを高め,そして授業のなかで運用しながらシステムの利用状況を観察するとともに,学習効果を確かめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画書では次年度に実施する予定のすべての機材を計上していたが,今年度は試行システムのみの機材を購入したため次年度使用額が生じた. 評価実験に必要とする機材を被験者人数分用意するために使用する.
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