2014 Fiscal Year Research-status Report
対面型協調学習支援のための対話指導モデルの開発と実践適用
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25730210
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽山 徹彩 金沢工業大学, 工学部, 講師 (00432138)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 情報システム / グループ学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の知識伝達型の学習観に対し,学習者が自ら知識やスキルを学ぶことが重要視されている構成主義的学習観が注目され,社会的文脈のなかでの学習が重視されている.このような背景とともに協調学習が注目され,学習に使用する道具や環境などの外的表象を含めた研究が取り組まれてきた.そのなかで協調学習の質を決める学習者間のインタラクションに着目し,対話による知識構築プロセスのモデル化と支援に関する研究が数多くなされてきた.本研究では直接対面環境を対象に,議論の進行を良い方向へ導く支援技術を開発することを目的とし,実施した. 平成26年度では,構築した対話指導モデルを用いた開発システムの有効性を示すために,創造的問題解決を扱ったプロジェクト型学習の授業のなかで使用する実証実験を行った. 議論に不慣れな多くの学習者によっては,お互いの学習知識や理解の相違を議論を通じて把握し,自らの学習知識を他者の学習知識に関連付けていくことが難しい.そこで本研究では対面型協調学習での議論の質を高めるために,事前学習で得られた知識の観点を議論のなかで共有する対話型協調学習支援システムを構築した.本システムでは事前学習で用いた学習資料に対し,メンバー間が付与した観点評価の相違を把握しやすく表現を生成し,協調学習のなかで提供する.実証実験によって,メンバー間のコミュニケーション齟齬が解消され,議論の満足度や充実度が高まることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発システムを実践的な環境で適用実験を行うことができた。しかし、その実験結果を詳細に分析することができなく、成果としてまとめることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は平成26年度で得られた分析結果をもとにシステムを改良するとともに、さらに実践的な環境で実験を行い、その成果をまとめ学会発表していく。
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Causes of Carryover |
平成26年度は平成25年度に開発したモデルに対し,実環境に適合し,その成果を学会発表を行う予定であったが,実環境適用のためにシステム修正に時間を要したため,実環境での実証実験が送れ,未使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため,研究成果の発表,および追実験を次年度に行うこととし,未使用額はその経費(学会参加費、旅費、実験謝金等)に充てることとする.
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