2013 Fiscal Year Research-status Report
多様な土壌炭素の分解反応に及ぼすプライミング効果の定量的評価
Project/Area Number |
25740003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
飯村 康夫 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (80599093)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地球温暖化 / 土壌炭素分解 / プライミング効果 |
Research Abstract |
地球温暖化問題を背景に土壌炭素の分解規定因子の解明が課題となっている。現在のところ現存している土壌炭素の質(化学構造特性)や存在形態(有機-無機複合体)によって分解反応は規定されるという考えがコンセンサスを得ているが、近年それを覆す規定因子(グルコースやセルロースによる正のプライミング効果)が報告され話題となった。ただし、プライミング効果による土壌炭素分解が多様な質に関係なく普遍的に生じるかは不明であり、他の規定因子との関係も曖昧である。本研究は多様な土壌炭素の質や存在形態に対するプライミング効果を定量的に評価することを目的としている。本年度は質や存在形態が互いに大きく異なる複数の土壌試料を採取し科学的な特徴付けを行うことを主目的として行ってきた。具体的には採取した土壌の色味や13C NMRスペクトル解析にて質を評価し、物理分画法や選択溶解法にて存在形態を定量化した。その結果、色味や化学構造特性、存在形態が互いに大きく異なる土壌を各4種ずつ取得した。現在は多様な質や存在形態を有する土壌試料に対し、プライミング効果実験(培養法)の最適化を試みている。具体的には3つの主要な培養条件因子(水分、温度、セルロース量)をそれぞれ段階的に制御し、平均的にプライミング効果が最もよく現れる条件を見いだす。今後は確立した最適実験法を用いて本年度に取得した土壌試料に適用し、多様な土壌炭素に対するプライミング効果を定量的に評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画書ではH25年度中に培養実験の最適化を確立しておく予定であったが、現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の培養法の最適化はほぼ確立されてきたので、近々この手法を用いて多様な土壌試料に適用していく予定である。 また、微生物バイオマス量についても並行して調べる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年の11月から新天地への移動により予算が使用できない期間が数ヶ月間存在したため、予定していた予算使用が計画通り進行できなかった。 次年度分と合わせて予定していて購入できなかった物品費用等に使用させていただく計画である。
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Research Products
(19 results)