2014 Fiscal Year Annual Research Report
ドームふじコアを使った新たな気温復元手法の開発と過去4000年の東南極の気候復元
Project/Area Number |
25740007
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
小端 拓郎 国立極地研究所, 研究教育系, 外来研究員 (00527129)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気候変動 / 南極 / ドームふじ / 氷床コア / 同位体 / 空気 / 温暖化 / フィルン圧密 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドームふじコアの過去4000年にわたる窒素と、アルゴンの同位体比の計測を終了した。計測には、過去2100年のNGRIP氷床コアを分析するために極地研に開発したシステムを用いた。NGRIPのデータや、米国のスクリプス海洋研究所で行われたGISP2コアの計測と同程度の高精度が得られた。窒素同位体とアルゴン同位体比のデータから見積もられたドームふじ基地のフィルン層の温度差から、グリーンランドで見られるような寒冷化の傾向がみられた。気温の計算はまだ行われていないが、フィルン層の温度差データには興味深い変動がみられた。平成26年度には、気温を復元する手法を固める重要な論文を一遍執筆し、現在Geophysical Research Letters誌に査読中である。この論文では、過去2100年のNGRIPとGISP2の気温を復元し、二つのサイトの気温変動がほぼ同様であったことを示した。また、フィルン層内で気泡が閉じてから起こるガス分別に関する論文を一遍執筆し、Atmospheric Chemistry and Physicsに投稿した。この論文では、Ar/N2やO2/N2の氷床コア中での変動が、フィルン層でのmicrobubblesにかかるロードプレッシャーの変動によるものであることを示した。
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