2014 Fiscal Year Research-status Report
レーザ誘起蛍光・白熱光逐次分析法を利用した大気粒子混合状態の解明
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25740013
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
竹谷 文一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球表層物質循環研究分野, 主任研究員 (50377785)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 蛍光粒子 / ブラックカーボン / 逐次分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
同一粒子の検出評価の次段階として、モデル粒子を用いて、装置の評価を行なった。白熱光検出のためのブラックカーボン(BC)粒子として、フラーレン(蛍光なし、白熱光のみ)を蛍光粒子としてトリプトファン(335-380nmに蛍光,白熱光なし)を用いた。これらの2種の混合溶液からネブライザーを用いて粒子を発生させた。このモデル粒子の場合、混合された粒子もしくは、片方のみの粒子の計3種の粒子が作成されることが予想される。実験の結果、すべてのパターンの粒子を検出することに成功し、蛍光-白熱の逐次分析が可能になった。実験室外気を取り込み、蛍光粒子、白熱粒子、両方を含む粒子の検出を試みた。検出した粒子の内、計43,881 個の粒子に対して、解析を行なった。粒径の範囲は0.4-2.6umで分布しており、サブミクロンサイズの粒子からの蛍光及び白熱光の情報抽出が可能であることを示した。解析の結果、蛍光物質は解析粒子の内14.2%、BCのみの粒子は2.3%、蛍光物質とBCの混合粒子の割合は検出粒子全体の0.3%程度であることが明らかとなり、初めて、逐次分析により単一粒子の蛍光、BC検出に成功した。これらの結果について、論文作成を行なった。 蛍光性のエアロゾルとBCの関係性に注目し、平成26年度の3月から、当初予定していた長崎県五島市福江島で、大気観測を開始し、蛍光性粒子、BC粒子の時間変動等に関するデータの取得を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度で行う予定の実験室外の大気を利用した試験観測を実施した。また、同年度3月から長崎県五島市福江島での大気観測を開始し、予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、大気観測の結果の解析、論文作成を行い、成果発表を進めていく。
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Causes of Carryover |
購入予定の機器の見積もりが想定より低く、様々な消耗品を併用することで、支出が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文作成にかかわる英文校正費に利用することを予定している。
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Research Products
(1 results)