2013 Fiscal Year Research-status Report
植物由来カルス細胞を用いた天然ゴム生合成機構の解明
Project/Area Number |
25740041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中村 武志 山形大学, 理学部, 研究員 (10624611)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プレニルトランスフェラーゼ / 天然ゴム / セイタカアワダチソウ / 酵素機能解析 |
Research Abstract |
セイタカアワダチソウの葉由来cDNAから、天然ゴム生合成系に必須とされるcis-prenyltransferase (CPT)、ファルネシル二リン酸合成酵素 (FPS)、ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素 (GGPS)、イソペンテル二リン酸異性化酵素 (IDI) の4種類の遺伝子全長クローニングを行い、pCold ProS2ベクターに挿入して、in vitroにおけるタンパク質発現を試みた。IPTGの添加により目的タンパク質の過剰発現を行い、ニッケルアフィニティーカラムにより精製した。 FPS、GGPS、IDIに関しては、pH、触媒濃度、反応温度の検討を行い、酵素の最適反応条件を検討した後、化学反応速度論的な解析を行い、酵素のキャラクタライゼーションを行った。一方CPTに関しては、in vitroにおける酵素反応を行い、逆層薄層クロマトグラフィー (RP-TLC) により、生成物の鎖長解析を行った。その結果、開始基質としてFPPを添加したときC45・C50、GGPPを添加したときC45の主生成物が確認できた。世界的に見ても、in vitroにおけるcis-prenyltransferaseの生成物確認の事例はあまり報告されておらず、非常に大きな結果と言える。 さらにCPTに関しては、YEp352ベクターへ挿入して、RER2欠損酵母株 (SNH23-7D) に形質転換させた後、23℃または35℃で培養したときの成育差を観察した。ネガティブコントロールとしてCPTを導入していない欠損酵母株は成育できないが、CPTを導入した酵母は35℃での成育補完を示した。in vivoにおいてもCPTは酵素活性を示すことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CPTのin vitroにおける生成物解析、in vivoにおける酵素活性を確認ができたことは非常に大きな成果といえる。その他の酵素の機能解析も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これらの遺伝子群をバイナリーベクターに導入して、アグロバクテリウムへの形質転換を行い、セイタカアワダチソウ由来カルス細胞へ感染させる。この遺伝子改変カルスからゴムを抽出して、分子量、収量等の変化を解析していきたい。
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Research Products
(4 results)