2013 Fiscal Year Research-status Report
日常生活に伴うすべての温室効果ガス排出量の評価と低炭素型生活行動への実証的適用
Project/Area Number |
25740052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井原 智彦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30392591)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カーボンフットプリント / カーボンラベリング / 消費者行動 / CO2排出量 / GHG排出量 / 産業連関表 / 家計調査 / 全国消費実態調査 |
Research Abstract |
製品・サービスへのカーボンフットプリントの貼付(カーボンラベリング)によって、CO2排出量の削減を実施するには、消費者がカーボンフットプリントを見て、購買する製品・サービスを変化させる必要がある。しかし、購買行動に関する規定因は明らかになっておらず、そのため、購買行動を促進させるために何をすれば良いのかは、定量的には不明であった。これは、研究計画の大前提に位置するため、初年度に実施する必要があった。 そこで、今年度は、カーボンラベリングに伴って購買行動を変化させるには、まず何をすれば良いのか探るため、間接環境負荷で大きな割合を占める食生活を対象に、カーボンラベリングおよび他の環境配慮型行動の規定因の分析を実施した。そのために、都市部に在住する20・30代の消費者500人を対象に、カーボンラベリングを含む28種類の食生活に関連する環境配慮型行動に関する考え方を調査するインターネット調査を実施した。 まず、代表的な規定因モデルである要因連関モデル(広瀬1994)、心理プロセスモデル(小池ほか2003)、集団的防護動機モデル(戸塚・深田2001)の3つの規定因モデルを比較した。その結果、要因連関モデルの適合度が高いことが判明した。 次に、要因連関モデルを用いて調査結果を詳細に分析した。その結果、ほぼすべての行動で実行可能性評価(自分はこの行動をおこなえる環境にあると思う)が最も行動意図に与える影響が大きかったにもかかわらず、カーボンラベリングなどラベル表示に関する行動では、社会規範評価(周りの人達がこの行動をしていたら自分もしなければと思う)が最も行動意図に与える影響が大きかった。 以上から、カーボンラベリングによって消費者の環境配慮型行動を変化させるためには、まずカーボンラベリングが普及している環境を整備する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、平成25年度中に、「(1) 産業連関表-家計支出統計の接続表の開発」を完了させることになっていたが、作業量が多く、また【研究実績の概要】で挙げた規定因の分析を実施したため、まだ終了していない。 一方で、規定因の分析は、平成27年度に実施予定であった「(5) 個別製品へのカーボンフットプリント表示による消費者の購買行動の変化評価」に相当し、この部分に関してはむしろ当初の計画より進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の計画に沿っておこなう予定であり、今後は、接続表の開発に注力し、その後、カーボンフットプリントの評価をおこなう。しかし、【研究実績の概要】で触れた通り、カーボンフットプリントによる購買行動の変化はカーボンフットプリントそのものの普及率が鍵を握ることが判明したため、消費者の購買行動に関する調査方法は、当初の計画に記載の方法から変更する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の進捗を踏まえて、国際会議参加の見送り(平成27年度に延期)・公的統計調査票データの未借用などを実施したため、次年度使用額が発生した。 次年度は、国内学会への参加、国内で実施される国際会議への参加、公的統計調査票データの借用および接続表開発のための人件費に助成金を使用させていただく予定である。
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Research Products
(1 results)