2015 Fiscal Year Research-status Report
日常生活に伴うすべての温室効果ガス排出量の評価と低炭素型生活行動への実証的適用
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25740052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井原 智彦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30392591)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家計調査 / 産業連関表 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、産業連関表と家計支出統計の接続表の開発を進めている。産業連関表と家計支出統計の接続精度を向上させるため、以下の2つのことに取り組んだ。 1つ目が、産業連関表の家計支出のベースとなっている国民経済計算と、代表的な家計支出統計である家計調査との接続範囲を明確にすべく、宇南山(2009)を参照しただけではなく、櫻本(2006)や岩本ほか(1995)など他の文献も参照したことである。部門対応を考える際においては、宇南山(2009)の言及は必ずしも十分あるいは正確ではない可能性があり、その検証のため、他の文献での言及との対応を進めている。 もう1つ目が、詳細に接続できるようにするため、産業連関表の産業分類のベースとなっている日本標準産業分類および、家計調査・全国実態消費調査の例示を抽出し、対応作業を開始したことである。日本標準産業分類については細分類に記載されている例示、家計調査・全国実態消費調査については品目に記載されている例示をそれぞれ列挙した上で、相互の対応を進めている。 いずれの作業についても、昨年度完成させた接続表の再改訂作業となっており、具体的な精度向上以外の成果は、今年度は得られていない。 合わせて、消費者にどのように情報を提示すべきか、環境省のグリーン・マーケット研究会などの議論を整理している。来年度は、これらの整理結果に基づき、調査票を作成して、消費者調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
日本標準産業分類と家計調査の例示の合理的な対応が難しく、また作業担当者がしばらくの間休学していたため、詳細な接続表の開発に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
作業担当者数を増やし、詳細な接続表を完成させる。接続表を用いて各品目の温室効果ガス原単位を整備し、消費者調査を進める予定である。
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Causes of Carryover |
詳細な接続表の開発が遅れたため、品目別温室効果ガス原単位データベースが構築できず、その結果、同データベースを用いて実施する予定であった家計支出の解析や消費者への調査が実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定通り、データベースを構築した上で、家計支出の解析の際に必要となる家計調査調査票の入手手数料や消費者への調査に必要となる委託費に、支出する予定である。
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