2013 Fiscal Year Research-status Report
低環境負荷プロセスによる米籾殻発電プラント灰の高機能性材料化
Project/Area Number |
25740055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
本郷 照久 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (50434303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 籾殻灰 |
Research Abstract |
バイオマス燃料の一つである米の籾殻は、毎年定量的に発生するといったメリットがある一方で、燃焼後に大量の籾殻灰が排出されることが問題になっている。本年度では、米の籾殻灰を有効活用するために、以下の事項に関して検討を行った。(1)籾殻発電プラントから排出された籾殻灰から、シリカ成分を高純度かつ高収率に抽出する条件。(2)得られたシリカ成分から高機能性材料として期待されている多孔質アルミノケイ酸塩を合成する方法。詳細を以下に示す。 (1)籾殻灰からのシリカ成分の抽出 本研究では、ミャンマーに設置されている流動層式発電プラントから排出された籾殻灰をシリカ源とした。この籾殻灰には約92%のシリカを含み、微量成分としてカリウム、マグネシウム、カルシウムなどを含んでいる。この籾殻灰を水酸化ナトリウム溶液に加え80℃で24時間水熱処理することにより、シリカ純度が約95%の抽出液を得ることができた。また、収率は約90%であった。 (2)抽出したシリカ成分からの多孔質アルミノケイ酸塩の合成 得られた抽出液に硝酸アルミニウムと水酸化ナトリウムを加え、ケイ酸塩ゾルを得た。このケイ酸塩ゾルを蒸留水に分散させ、所定量の硝酸と過酸化水素を加えることによってpHを4.0に調整した。得られた懸濁液を2日間加熱還流し、アンモニア水でpH調整した。生成した沈殿物を固液分離し、80℃で乾燥することにより多孔質アルミノケイ酸塩を合成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた検討事項(1、籾殻灰からのシリカ成分の抽出、2、抽出したシリカ成分からの多孔質アルミノケイ酸塩の合成)に関して、十分なデータと結果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は得られた材料の物性制御と、高機能化するための改質方法を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度の研究を遂行するために必要な物品を全て揃えることができたため。 次年度に購入予定の備品費として使用する計画である。
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