2015 Fiscal Year Annual Research Report
低環境負荷プロセスによる米籾殻発電プラント灰の高機能性材料化
Project/Area Number |
25740055
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
本郷 照久 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, その他部局等, 研究員 (50434303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 籾殻灰 / 再資源化 / 環境浄化材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
米の籾殻を燃焼させると約15 MJ/kgの熱量が発生することから、東南アジアの諸国を中心に米の籾殻をバイオマス燃料とした発電プラントが稼働している。しかし、燃焼後に大量の籾殻灰が排出され、廃棄物問題や環境汚染問題を引き起こしている。本研究ではこれらの問題を解決することを目的に、籾殻灰を機能性材料へと転換するプロセスの開発を行った。また、得られた材料の環境浄化能の評価を行った。 籾殻灰からの機能性材料の調製には、「ウェットプロセスによる多孔質材料の合成」と、「メカノケミカル処理による表面の活性化」の二つの手法を用いた。ウェットプロセスによる多孔質材料の合成では、まず、籾殻灰からのシリカ成分の抽出を行った。本研究で使用したミャンマーの流動層式発電プラントから排出された籾殻灰には、約92wt%のシリカが含まれている。この籾殻灰を水酸化ナトリウム溶液で水熱処理することにより、シリカ純度が約95%の抽出液を得ることができた。この抽出液とアルミニウムを含む酸性溶液を混合し、生成した沈殿物を3日間水熱処理して試料を得た。この試料の表面には水酸基が多く存在しており、アセトアルデヒドに高い吸着能を有していることが明らかになった。一方、籾殻灰をメカノケミカル処理すると、結晶化していたシリカ成分が非晶質化し、比表面積が増加した。この処理を施した試料と施していない試料のメチレンブルー吸着試験を行ったところ、メカノケミカル処理により吸着速度および吸着容量が向上することが分かった。
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