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2013 Fiscal Year Research-status Report

フォトリアクターを利用したCO2・H2Sフリーのバイオメタン精製プロセスの開発

Research Project

Project/Area Number 25740056
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionNational Institute for Environmental Studies

Principal Investigator

小林 拓朗  独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 研究員 (10583172)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsメタン発酵 / バイオ天然ガス / 二酸化炭素固定
Research Abstract

これまでの藻類を用いたバイオ天然ガス化プロセスの欠点は,①フォトバイオリアクターにガスを吹き込むために,光合成によって生産される酸素が,多い場合には吸収したCO2と同程度含まれてしまう;②バイオマスの回収 (固液分離) が困難で,処理水質も悪い。本研究では,特定の条件の下で微細藻類がグラニュールを形成し,SSをほとんど含まない処理水が得られた。酸素混入を回避するためCO2吸収と藻類培養の機能を分離して,藻類による処理水をCO2の吸収水として利用するプロセスを構築し,その処理性能を評価した。
(1) 発酵消化液の吸収水としての利用、そのCO2とH2S吸収能力の評価:吸収塔に対する吸収水とガスの供給速度比を1、2、4、6にそれぞれ設定して実験を行い、4以上に増大させる事でCO2は95%以上除去、H2Sは99%除去可能であった。
(2) フォトリアクターにおける培養液の沈降性向上の条件:いくつかの条件のうち、pHによる影響を最も強く受けた。pHが7から9に上昇する間に、培養細胞の沈降性の明らかな上昇が観察された。pHを9付近に保つためにはリアクター内のCO2濃度が低く維持されていなくてはならないため、処理効率を高める必要性が示唆された。また連続的な運転を続ける中で、培養細胞のグラニュール化が観察され、沈降性の向上が見られた。しかしながらこのグラニュール化はまだ再現性が得られていない。
(3) 上記検討で構成されたシステム下での連続運転によるガス精製と消化液の栄養塩除去特性評価:CO2負荷352L/m3/d、NH4+負荷24g/m3/dの下で、CO2は平均97%の除去率、H2Sは99%以上の除去率を安定的に連続して達成できた。窒素除去率も90%程度が維持され、十分な除去率が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度はシステムの構築および基礎的条件検討を目的としていた。バイオガス中のCO2とH2Sの吸収において影響する因子特定とその影響の評価、およびフォトバイオリアクターによるCO2の固定速度評価および沈殿性影響因子特定を行い、一連の機能を有したシステムを構築し、実験を行ったことから、基礎的な検討は十分に実施できたと考えているが、期待された性能ではなく、改善に向けた技術改良を今年度は実施し、実用的なシステムを構築する事を目標としたい。また、まだ研究成果を査読付論文等として発信する事ができていないので、今年度は成果の論文化等による発信を目標としたい。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究では、吸収塔とフォトリアクターを組み合わせたシステムのCO2固定と栄養塩除去性能が評価された。栄養塩の除去率は十分であると考えられるが、吸収塔によるバイオガスの処理速度および藻類によるCO2の吸収速度はまだまだ低い。ガス中のCO2の水への溶解速度および溶解されたCO2を吸収する藻類濃度を向上させるため、吸収塔とフォトバイオリアクターを連結し、循環する現在のシステムを改め、CH4とCO2の溶解度差を利用し、CO2を高圧下で選択的かつ高効率で溶解させる高圧水吸収装置とフォトリアクターを組み合わせた新たなシステムを構築することにした。上記吸収装置では、内部圧を1MPa程度に保持し、CH4の溶解度は小さいものの、H2SとCO2をほとんど液相へ吸収させ、CH4リッチなガスを得る事が期待される。それらガスが吸収された水を、藻類等が培養されるフォトバイオリアクターへ供給し、CO2とH2Sの固定化を狙う。従前のシステムでは循環による実質滞留時間の減少と藻類細胞の吸収塔のろ床への付着により、効率的な処理が阻まれた。本システムでは、そのような問題が生じない。供給される基質であるCO2濃度も高まることから、増殖速度に対してもプラスで寄与すると考えられる。
今年度は、主として次の課題を遂行する事とする。
(1) バイオガス中
(2)
(3) 得られたパラメータからの物質収支計算とシステムの試設計

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該年度の所要額のうちほとんどが経費として使用されたが、使用しきれなかったわずかの額を次年度の消耗品に充てるため。
実験装置消耗品に28699円を使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 微細藻類のグラニュール化とそれを利用したバイオガスアップグレード方法の開発2013

    • Author(s)
      小林拓朗
    • Organizer
      第16回日本水環境学会シンポジウム
    • Place of Presentation
      琉球大学
    • Year and Date
      20131110-20131111

URL: 

Published: 2015-05-28  

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