2013 Fiscal Year Research-status Report
映像コンテンツの面白さに及ぼす音響デザイン手法に関する研究
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25750002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金 基弘 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 研究員 (90584665)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 効果音 / 音楽 / 映像 / 笑い / 調和感 / 唾液 / 異文化 |
Research Abstract |
本研究は,テレビや映画などの映像メディアにおいて「笑い」を誘発する音(音楽や効果音)の効果に着目したものです。一般に,笑いが演出された面白い映像コンテンツは,記憶に残るほど印象的なもので,映像作品としての評価も高いです。さらに,現代人が抱える問題ともいわれるストレスを和らげる効果もあると考えられます。本研究では,不快感や違和感のないうえ,面白くて評価の高い映像制作に必要な効果的な音の利用を①心理評価実験②生理評価実験③多文化間比較実験を通して検討を行い,映像コンテンツの面白さに及ぼす音響デザイン手法を科学的に解明することを目的としています。 研究代表者は、日本のバラエティ番組の映像と音を用いて印象評価実験を行い,笑いを誘発する効果音(「イメージ音」「誇張音」)および音楽(「シンボリックな音楽」)の効果について検討を行い,付加する音の種類によって映像の面白さを誘発する要因が異なることを示しました。本実験から得られた基礎的な知見は,実際の映像メディアの音響デザインに活かせるもので,どのように音を用いれば効果的になるのかのデザイン手法を示したものです。 また,違和感のない(調和する)映像コンテンツの制作を考察する研究の一環として,「上下」「左右」「拡大・縮小」する映像と音高の「上昇音・下降音」を用い,音の提示方向の違いが音高の変化と映像の変化の調和感に及ぼす影響を検討しました。 さらに,唾液検査キットを用い,唾液中に含まれる消化酵素の一つである「唾液アミラーゼ(α-アミラーゼ分泌)」を測定し,面白い映像コンテンツの音が日常的に感じるストレスの軽減に及ぼす影響についての研究にも取り組みました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は,平成25度の実験実施計画に基づき,「効果音や音楽が映像コンテンツの面白さや評価に及ぼす影響」および「面白い映像コンテンツを視聴した際の情動反動と生理反応との対応関係」を明らかにするための実験を実施しました。本研究より得られた結果の一部は,すでに国内学会で公表を行っており,2014年8月に開催される国際学会(ICMPC13-APSCOM5)での発表も受理されています。
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Strategy for Future Research Activity |
まず,平成25年度に日本人の実験参加者を対象に実施した心理生理評価実験のデータ分析を行い,面白い映像コンテンツの音が日常的に感じるストレスの軽減に及ぼす影響について探ります。 平成26年度の研究では,海外の研究者たちと協力しながら韓国人と中国人の実験参加者を対象に実験を実施し,文化や社会のコンテキストを考慮した映像コンテンにおける笑いを演出する効果的な音響デザイン手法について取り組んでいきます。
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Research Products
(3 results)