2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25750003
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山内 勝也 長崎大学, 工学研究科, 助教 (10380718)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 次世代自動車 / 走行音 / 接近通報音 / 交通騒音 / 電気自動車 / 主観評価 / 音デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,歩行者にとって車両の接近や挙動を認知しやすい走行音のデザインの理解(目的1),および快適性や運転しやすさ等の種々の目的に適う走行音のデザインによる発展的な車室内音環境創出の検討(目的2)を設定している。 本年度は,目的1に関しては,主にラウドネスを考慮した検知容易性に関する検討の推進,および前年度成果を論文等で公表することを行った。検知容易性に関する検討としては,同等の検知容易性を持ちつつ,異なる印象を与える接近通報音の設計可能性について実験的に検討した。実験刺激は,1/3オクターブバンドで2k~5kHzの各帯域成分を,純音性成分もしくは狭帯域雑音成分とすることで,各帯域で同等のエネルギーを持ちつつ周波数特性に変化を持たせた。バイノーラル録音再生環境を用いた検知容易性評価実験を実施した結果,既往の知見と同様に,1/3 オクターブバンドごとのレベルを適切に設計することで,同等の検知容易性を持つことが確認された。また,SD法による印象評価実験を行った結果,「評価因子」と「迫力因子」の2次元平面上で刺激印象の相違が示され,同等の検知容易性を持ちつつ異なる印象を与えられること,総合的な評価印象を保ちつつ迫力感の異なる報知音設計の可能性が示された。前年度までの成果の公表については,英文誌での原著論文を2編,国際学会で1件の招待講演を行った。 目的2に関しては,車速に応じて走行映像と付加走行音の周波数特性を生成するドライビングシミュレータを構築し,加速度印象ならびに運転操作感の評価を行った。その結果,周波数帯域および周波数シフト率(幅)の双方が加速感印象に影響し,高周波数域の変化や大きな周波数シフトが強い加速感をもたらすことが明らかになった。また,シフト幅が大きくなる程,調和感と運転操作感の得点が低くなる傾向が見られた。本検討の成果は,国際会議において公表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに遂行されている。特に,計画に掲げた課題のうち,<接近通報音に求められる音響特性の解明>および<音高変化と加速感の関係の解明>については,計画に掲げた目的を達成し,成果の公表も順調である。次世代自動車の普及による行動や意識に関する社会調査については,部分的な調査は実施できているものの,成果公表には至っておらず改善が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度から所属が変更になり,研究設備整備にエフォートを要し計画遂行に遅れが出る恐れがあるが,特に社会調査に係る課題について,計画を見直しつつ目的に適う調査を実施する。
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Research Products
(6 results)