2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25750003
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 勝也 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (10380718)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 次世代自動車 / 走行音 / NVH / 接近通報音 / 道路交通騒音 / 主観評価 / 音デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイブリッド車や電気自動車に代表される次世代自動車は,その静音性故に車両の接近を知る手がかりが少なく,歩行者にとって危険な状況を生んでいると指摘されている。そのために,歩行者に車両の接近を知らせるための音(接近通報音)のデザインが求められている。また,接近通報音を含めて走行音を総合的にデザインし,次世代自動車にふさわしい車室内音環境をデザインするニーズも高まっている。このような背景から,本研究課題では,歩行者にとって車両の接近や挙動を認知しやすい走行音/接近通報音デザインの理解(目的1),および快適性や運転しやすさ等の種々の目的に適う走行音/接近通報音デザインによる発展的な車室内音環境創出の検討(目的2)を設定した。 目的1に関しては,主にラウドネスを考慮した検知容易性に関する検討を行った。幅広い年齢層の被験者を対象とした音量調整実験を実施した。刺激音には,国交省ガイドラインおよび国連WP29の国際ガイドラインの動向を考慮した接近報知音を設計し,これを利用した。被験者にバイノーラル録音された環境音と接近報知音を提示し,提示された環境下において自分が望む音量に接近報知音の音量を調整するよう求めた。また,刺激とした音の印象に関する主観評価実験を行い,同等の検知容易性を持ちつつも,異なる印象を与える音デザインの可能性を実証した。 目的2に関しては,音高変化と加速感の関係を解明するための印象評価実験として,車両走行映像と合成音による模擬走行音を用 いて加速感関するシェッフェの一対比較法による印象評価実験を行った。また,車速に応じて走行お映像と付加走行音の周波数特性を制御できるシミュレータを開発し,運転操作を伴った場合での加速度印象と周波数変化の対応関係を検討した。 研究成果は,英文誌での原著論文の他,国際学会での招待講演や国際基準策定会議への情報提供,著書への掲載など幅広く公表された。
|
Research Products
(6 results)