2014 Fiscal Year Annual Research Report
室内空間における照明の照射位置と色温度の違いが生理・心理状態に与える影響
Project/Area Number |
25750004
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
中島 瑞季 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (30634175)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 照明環境 / 色温度 / 照射位置 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は光の非視覚効果に関係のある人の概日リズムが,視覚効果である色温度,照射位置の評価に与える影響を,主観評価と生理計測を使用した客観評価とさらに評価にいたる過程を注視点計測から導き出すことから検討することを目的としている. 平成25年度は主観評価の評価語選定を目的に,異なる色温度と照射位置を組み合わせた数種類の照明環境写真を使用し,既往研究で使用されている語句と自身の先行研究で使用している語句から印象評価を行った.その結果,空間で実際に過ごした場合に感じる印象と,空間の雰囲気の印象から評価していることが考えられ,それはデザインの特徴である機能性を備えた美的な評価であることが示唆されたことから,評価項目として妥当であると判断した.また客観評価手法として考えられた脳血流指標と主観評価の関係がどのようにあらわれるのか実験データから検討を行った結果,客観評価の指標としては主観評価にあらわれないストレスを計測することが,本目的にふさわしいと判断できた. 平成26年度は色温度と照射位置の組み合わせが異なる空間模型を4種類用意し,それらを観察することから照明環境に対する印象評価を行った.主観評価は25年度の成果である評価語を使用し,生理計測は唾液中のアミラーゼ濃度から急性的なストレス指標を採取した.また評価中は空間模型内のどこを観察しているのか視線計測から確認した.さらに,人の概日リズムが与える影響を確認するため,日の入り前後の午前10時から13時と午後6時から9時の間に1日2回計測を行った.その結果,主観評価において日の入りは空間全体の印象に影響をあたえ,電球色が45度の照射位置の場合,特に影響を受けることが示唆された.またストレス指標に関しては個人差が大きく,さらに視線に関しては空間内の情報量が多くないためか特に強い傾向が見られなかった.
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