2013 Fiscal Year Research-status Report
幼児期前半のブロック遊びの発達過程:認知および社会的相互作用からの検討
Project/Area Number |
25750009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
細谷 里香 滋賀大学, 教育学部, 講師 (20634984)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幼児 / ブロック / 積み木 / 図形 / 視線 |
Research Abstract |
幼児期前期のブロック(積み木)遊びの発達を検討するにあたり、まず、穴の形に適合するブロックを穴に入れて落とす課題であるブロック穴入れ課題をテーマにとりあげた。先行研究によると30ヶ月児でも2つのブロックから正しいブロックを選択して穴に入れることは難しいことが報告されている。正しく穴に適合するブロックを選ぶには、まず、図形を正しく認識する力とともに、実行機能も関連していると考えられる。本研究では、幼児の図形識別能力の発達を検討するとともに、二つの選択肢から適合するブロックを選んで落とすブロック穴入れ課題における課題遂行能力と実行機能との関連性を検討することを目的とした。 まず、図形識別能力の発達を検討するために、保護者による研究参加の同意が得られた幼児を対象に、呈示された図形と同じ図形を選択する図形選択課題をアイトラッカー上で実施した。課題成績に関して、呈示図形の回転効果と形および月齢群による違いを検討したところ、月齢群の主効果が有意であり、高月齢児(N=19, 平均月齢 : 47.4, SD : 4.1)は低月齢児(N=16, 平均月齢 : 35.9, SD : 2.8)よりも有意に正答数が高かった。課題遂行中の視線分析を行ったところ、高月齢群の方が低月齢群よりも正解図形により早く視線を移し、識別のごく初期(1秒間)の間により多く、より長い時間正解図形を見ていたことが明らかとなった。また、呈示図形の回転の有無も、視線の動きに影響を与えていることが示唆された。 ブロック穴入れ課題と実行機能課題も実施し検討したところ、ブロック穴入れ課題の遂行力は、高月齢児の方が低月齢児よりも有意に高かった。さらに、月齢を統制してもブロック穴入れ課題遂行力と抑制機能の間には有意な相関関係があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブロック穴入れ課題や図形識別課題などの課題の準備を予定通り行うことができた。研究参加者の募集や実験実施に関しては、やや時間がかかったものの、最終的には滞りなく実施できた。研究成果は2つの学会で発表できたが、今後、論文発表を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
幼児期前期のブロック(積み木)遊びの発達を社会的相互作用の観点から検討するために、縦断研究を開始する。積み木構成遊びに関する先行研究を参考にし、ブロック構成遊びの発達を評価する観点と行動分析の指標案を作成する。幼児期前半の研究参加者の募集を行い、保護者から研究参加の同意を得られた幼児と保護者を縦断研究の対象とし、養育者と共に遊ぶ場面と子ども一人で遊ぶ場面の映像データ、および実行機能データを取得する。半年後にも同様のデータを取得し、分析を行う。
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Research Products
(2 results)