2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Condition and Environment to Activate "Potential Volunteers"
Project/Area Number |
25750010
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
齊藤 ゆか 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (20406747)
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Project Period (FY) |
2014-02-01 – 2018-03-31
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Keywords | 潜在的ボランティア / ボランティア / 条件設定 / 環境 / 生涯教育 / コミュニティ / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「潜在的ボランティア」に着目し、どのような「条件設定」と「環境」を整えれば活動へ一歩踏み出すことが可能なのか,構造的に究明し,実現のためのステップを提示することである。「潜在的ボランティア」とは、ボランティア行動には表れていないが、何らかの活動へ参加・参画する可能性が高い層を指す。2017年度は下記、3つの研究成果がある。 第一は、「潜在的ボランティア」の活動を拓く条件設定と環境づくりに関する研究である。第二は、「アクティヴ・シニア」にターゲットを絞った研究である。ここでは、シニアのエンパワメントとコミュニティとのかかわりを念頭においた検討を行った上で、高齢者の地域への参画を促す地域の体制づくりに関する調査研究を行った。第三は、「潜在的ボランティア」が育つ場として、公民館機能の再検討を行った。特に求められる公民館機能と現実の狭間の問題を扱った研究である。 ここでは、研究テーマに焦点を絞った第一研究を中心に報告したい。方法は、第Ⅰ調査の質問紙調査法(学生及び市民269名、2014年7月~2015年10月)、第Ⅱ調査の地域づくりの協議・WS(29名、2015年10月)を実施した。検討結果から、「潜在的ボランティア」は、「地域」をベースに「人間」と「社会」の両面からアプローチしていくことが有効であることが明らかとなった。第Ⅰステップの「人間」については、「人間が生きることへの関心・受容」を表し、自分をみつめ、自分を再認識することである。第Ⅱステップの「地域」については、「地域や土地への同化・受容」を行うことである。第Ⅲステップの「社会」については、「社会の受容・同化」を表し、未知なる社会を知る活動、社会に働きかける活動につなげることである。今後は、一人一人の生涯ライフのサポート体制を整備によって、新たな「潜在的ボランティア」の開拓につながるだろう。
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