2014 Fiscal Year Annual Research Report
平編布における視覚的表面粗さ感の計測と設計に関する研究
Project/Area Number |
25750016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
若子 倫菜 金沢大学, 機械工学系, 助教 (30505748)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面粗さ感 / 編布 / 視覚 / 計測 / 設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,平編布の視覚的表面粗さ感を計測,評価する方法の確立と,表面粗さ感と物理的設計値とを対応づけるデータベースの構築である.H26年度は,H25年度に得た表面粗さ感と原糸や編目の構造との基礎的関係について課題①原糸・編目構造の影響を更に詳細に検討した.また,課題②染色加工による試料への色彩の付与が表面粗さ感と原糸・編目構造との関係に及ぼす影響を検討した. 課題①原糸・編目構造と表面粗さ感との関係については,原糸の見かけ太さや編目構造(ウェール,コース各方向の長さ,1ループの面積,面積の異なる編目の混在)が様々に異なる未染色試料を作成し,20~30歳代日本人女性16名に視感評価をしてもらった.その結果,表面粗さ感は,見かけ糸太さと1ループの面積との積をパラメータとする単回帰式によって表わされることがわかった.課題②試料の色彩と表面粗さ感との関係については,原糸の種類,繊度が同一で色彩の異なる試料を作成し,20~30歳代日本人女性13名に視感評価をしてもらった.また,色彩による試料編布の輝度分布の変化を画像解析した.その結果,表面粗さ感は,糸領域と背景領域との色彩(明度)の同化を考慮した見かけ糸太さと1ループの面積との積(錯視的表面粗さ感パラメータとする)をパラメータとする単回帰式によって表わされることがわかった.したがって,平編布における視覚的表面粗さ感は,錯視的表面粗さ感パラメータでおよそ計測・評価できることがわかった.錯視的表面粗さ感パラメータは,試料編布と背景との色差(明度差),編目密度ならびに繊度の物理的設計値と関連しており,本回帰式によって望む表面粗さ感を表現できる薄手平編布の設計が期待できる.本研究成果は日本繊維機械学会,繊維学会,日本感性工学会,Textile Research Symposiumにおいて発表した.
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