2015 Fiscal Year Research-status Report
布の「しっとり」に関する素材物性を用いた評価尺度の構築
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25750019
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
末弘 由佳理 武庫川女子大学短期大学部, 生活造形学科, 講師 (40469531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | しっとり / 触感 / 風合い / 手触り / 摩擦 / 表面特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
布のしっとり感について、試料を新生児肌着とし、主観的・客観的データを取り、解析を行った。試料として採用した肌着は、「オンラインショップ楽天市場」において、 新生児短肌着の週間売れ筋人気ランキング(2013年2月11日から17日)において上位7位の新生児肌着である。 編物5種、 織物2種(いずれもガーゼ)であり、 構成糸はいずれも綿100%である。主観的データの取得は、女子大生47名を対象に、 正規化順位法により、 「しっとり」、 「肌触りのよさ」、 「やわらかさ」、 「あたたかさ」、 「なめらかさ」について官能検査を実施した。客観的データはKESシステムにより、 表面特性(表面摩擦抵抗、 摩擦係数)、 圧縮特性、 曲げ特性、 せん断特性、 引っ張り特性、 最大熱流束qmax、 通気抵抗を測定した。 官能検査の結果、 全項目において順位に有意差(「肌触りのよさ」は1%水準、 その他は5%水準)が認められた。最も「しっとり」を強く感じた試料は、 同時に「肌触りのよさ」、 「やわらかさ」、 「あたたかさ」、 「なめらかさ」においても強い感覚が得られた。また、 物性との関係はせん断かたく、 曲げやわらかく、 編目密度の高い肌着において、 「しっとり」の感覚が強く得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新生児肌着のしっとり感に関して、客観的データ、主観的データ共に統計処理に基づき、一定の結果を得ることができた。両者データより、「しっとり」を強く感じる肌着は、せん断に対してかたく、 曲げに対してやわらかく、 編目密度の高いものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
新生児肌着において試料を増やし、引き続きデータ取得の予定である。また、これまでにしっとり感を評価してきた試料数十種より、しっとりに関する判別式を作成する初期段階まで遂行することが課題である。
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Causes of Carryover |
補助事業は予定通りに進捗している。27年度に行った実験に関しては、引き続きの実験ということから新機器等が必要なく予算をかけずに実施することができたためである。 よって、新試料等は必要なく、次年度に有効に活用したいと考えたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試料の購入及びアルバイト謝金に使用予定である。
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Research Products
(3 results)