2015 Fiscal Year Annual Research Report
魚類主要アレルゲンパルブアルブミンのアレルギー反応性の低減化法に関する研究
Project/Area Number |
25750023
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 征洋 東京海洋大学, その他部局等, 助教 (30511753)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パルブアルブミン / Immunoglobulin E (IgE) / 加熱 / 変性 / 立体構造 / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類アレルギー患者の原因アレルゲンを調べた。パルブアルブミン(PV)陽性率は44%で、コラーゲンは50%だった。25魚種のIgE反応性をマサバPVで阻害した結果、高い阻害率を示し、全魚種が共通するIgE結合部位をもつことが分った。魚のアレルゲン性はPVの含有量で決定されることも分った。 精製PVからCa2+を除去し立体構造を変化させると患者のIgE反応性が低下したため、Ca2+結合で保持される立体構造上にIgE結合部位があることが判明した。調味料成分がPVのアレルゲン性に及ぼす影響を調べた。NaCl処理はPVをアレルゲン性のある立体構造に組み直すが、水溶性PV量には影響しなかった。エタノールはPVの立体構造を若干崩させ、水溶性PV量も低下させた。グルコースは立体構造にも水溶性PV量にも影響しなかった。酢酸はPVの立体構造を最も崩壊させ、水溶性PV量も低下した。そこでマサバフィレを食酢処理した結果、PVの立体構造が崩壊したが、食塩存在下ではPVの変性効果が減弱した。 PVを100℃で5~320分加熱した結果、320分加熱がPVの立体構造を完全に崩壊させた。また、食塩存在下でも立体構造は戻らなかった。100℃320分加熱処理は患者のIgE反応性を完全に消失させた。圧力鍋を用いて120℃60分マサバフィレを加熱すると、患者のIgE反応性は完全に低下した。 20~140℃加熱したPVの蛍光を調べた結果、加熱負荷依存的にPVの蛍光反応が高くなり、分子内部のPheの分子表面への露出が考えられた。1,8-ANSを添加して蛍光反応を調べた結果、加熱負荷依存的に蛍光が強くなりPVの疎水性領域が分子内部から外部へ露出したことが分かった。加熱での低アレルゲン化が普遍的かを調べるため、30魚種抽出液を120℃60分加熱した結果、立体構造認識抗PV抗体の反応性および患者のIgE反応性は消失した。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Fish collagen is an important panallergen in the Japanese population2016
Author(s)
Kobayashi Y, Akiyama H, Huge J, Kubota H, Chikazawa S, Satoh T, Miyake T, Uhara H, Okuyama R, Nakagawara R, Aihara M, Hamada-Sato N
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Journal Title
Allergy
Volume: 未定
Pages: 未定
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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