2013 Fiscal Year Research-status Report
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25750027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
山縣 誉志江 県立広島大学, 人間文化学部, 助教 (40634150)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 嚥下調整食 / 離水 / 嚥下障害 / 食品物性 |
Research Abstract |
嚥下調整食として出回っているゼリー状の食事は、口腔内で舌と口蓋により圧縮・破断した時に水分があふれ出るものも見られる。これは嚥下障害者にとっては誤嚥を引き起こすリスクが非常に高く危険であるが、これまでの嚥下食の基準では物性のみが先行し、このような離水が考慮されることは少なかった。そのため、今後、嚥下食の基準に離水率を併記することが重要であると考えられる。 これまで我々は、ゲル状食品の離水率を、離水を濾紙に吸着させることによって評価してきた(神野典子:嚥下食ピラミッドによるレベル別市販食品250, 栢下淳編, 医歯薬出版株式会社, 2008/山縣誉志江,他:日摂食嚥下リハ会誌, 2010)。これらの方法では、ゲルの内部からあふれ出る水分が適切に評価できているのかが不明である。本年度は、表面離水の測定方法の改良および内部離水の測定方法の確立を行った。 まず、食感が異なるゲルを作製するため、2種類のゲル化剤の選定および濃度の決定を行った。これらの試料を用いて官能評価を行い、離水率の高いと思う順位を評価させた。官能評価パネルは本学学生71名とした。次に、これらの表面離水を測定するための方法として、クリープメータを、内部離水を測定するための方法として、(1)クリープメータを使用して試料を圧縮する場合、(2)遠心分離を行い水分を分離させる場合を検討し、それぞれで条件を変化させ評価を行った。これらの結果、最もヒトの官能評価結果に近い測定方法がわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定は、離水を表面離水と内部離水の二つに区別して測定方法を検討し、これらの離水と官能評価結果を比較することで、内部離水および表面離水を適切に評価できる離水の評価方法を検討することであった。現在までで、予定していた研究進度に達している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに得られた結果で論文を作成する。また、当初の計画通り、平成26年度以降は嚥下障害者に提供するのに相応しい離水率の範囲を決定する。最終年度にはどの程度の表面離水および内部離水が嚥下障害者にとって危険であるのかを評価できるよう、まず、本年度に確立した測定方法により、あらかじめ離水率を評価した官能評価用のゲル数種類を選定する。さらに、嚥下障害者と接する医療従事者による官能評価を平成26年度内に計画する。
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