2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25750027
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
山縣 誉志江 県立広島大学, 人間文化学部, 助教 (40634150)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 嚥下調整食 / 離水 / 嚥下障害 / 食品物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
嚥下機能が低下すると、嚥下反射惹起の遅延等により誤嚥を引き起こす危険性が高まる。そのため、嚥下機能に合わせた形態の食事の提供が必要である。さらさらとした液体は、咽頭通過速度が速いため誤嚥のリスクが高く、とろみをつけて対応することが多い。口腔内で固形物と水分が分離する食品では、水分が無意識に咽頭に流入し、嚥下障害者にとって危険であることが示唆されている。ゼリー状食品は、嚥下機能の低下した方に比較的安全な形態と認識され提供されているが、舌と口蓋で圧縮された際や咽頭収縮の際に、水分がゼリーから分離して一定以上の離水が生じる製品が存在する。我々の先行研究(山縣他.日摂食嚥下リハ会誌14:17-26,2010)では、嚥下調整食の離水の評価が重要であることが示唆された。しかし、目視で確認できる食品表面の離水についての報告はみられるが、口腔内で舌と口蓋の圧縮で生じる内部離水についての報告はほとんどない。どの程度の内部離水が嚥下障害者にとって危険であるかを検討するためには、離水を定量する方法を確立する必要がある。 平成25年度の研究では、嚥下障害者に提供するゲル状食品の表面離水および内部離水を定量化する方法を検討した。その結果から、検討した条件の中で最も官能評価を反映した離水率が得られ、誤差が少なく、市販食品の測定にも応用可能な離水測定方法として、ポリプロピレン篩を用い、濾紙法により表面離水を測定し、クリープメータに円柱状プランジャーを装着し、速度1 mm/secで試料の93%を圧縮する方法により内部離水を測定するのが適切と考えられた。これらの測定方法を用い、平成26年度は、嚥下障害者にとってどの程度の離水が危険であるかを評価するための官能評価に使用する試料の選定を行った。その結果、官能評価に適切な離水量および物性の試料を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までで、予定していた研究進度に達しており、本年度の計画である官能評価に関して、昨年度末より一部取りかかり始めている。しかし、論文作成が少々遅れているため、本年度、作成を急ぐ。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた結果の論文作成をする。また、平成26年度に得られた結果をもとに、官能評価を計画した。今後、医療従事者を対象に、50名以上の官能評価の実施を行う予定。
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Research Products
(2 results)