2013 Fiscal Year Research-status Report
大量調理施設における消費エネルギーの「見える化」はCO2排出量削減に有効か?
Project/Area Number |
25750029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
池田 昌代 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (10364704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 見える化 / 調理 / 給食 |
Research Abstract |
大量調理時のエネルギー消費量の動向を明らかにする事を目的とし、栄養士養成施設の給食経営管理実習を対象にガスを熱源とする調理及び洗浄機器の使用実態の把握とガス消費の詳細な測定を行った。また、大量調理時の消費エネルギーをリアルタイムに表示できる「エネルギー消費量可視化(見える化)システム」の構築を行なった。 1.ガス消費量の測定 測定に供した機器は、調理系統ではスチームコンベクションオーブン、回転釜(55L,110L容)、炊飯器、ガスレンジ、洗浄系統では食器洗浄機の計6機種であり、実習中のガス瞬時流量を測定し、データロガーで1秒ごとに記録した。記録したガス瞬時流量から実習時間中の機器ごとのガス消費量、調理操作あるいは料理区分別のガス消費量を求めた。実習中のガス消費量の内訳は調理系統が73%、洗浄系統27%であり調理系統で消費されたガスの53%がガスレンジによるものであった。機器稼働時間あたりのガス消費量は、回転釜(110L容)が最も多く、スチームコンベクションオーブンが少ない値であった。料理区分別のガス消費量は、主菜が最も多く1食あたりのガス消費量のうち40%が主菜を調理するために使用されていた。 2.「エネルギー消費量可視化(見える化)システム」の構築 スチームコンベクションオーブン、回転釜(55L,110L容)、炊飯器、ガスレンジ、食器洗浄機に取り付けられたガス流量計で実習中の継時的なガス瞬時流量を測定し、データロガーによって記録した。さらにこのデータを親パソコンに接続し画面表示を行い、無線アクセスルータを介し画面共有ソフト(Team Viewer)を用い下処理室、調理室、配膳室の計3台の子パソコンの画面と共有した。画面表示内容は、作業工程表、各機器の積算ガス消費量及び使用金額とし、試験運用後、実習参加者へアンケート調査を行い、画面表示の内容について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画では、大量調理時のエネルギー消費量の動向を明らかにする事を実施目標として掲げた。本年度の成果とし、ガスを熱源とする調理機器及び洗浄機器のエネルギー消費量の測定データを収集することができた。また、エネルギー消費量可視化(見える化)システムの試験運用を行い、次年度の研究計画の基盤を作ることができたことから、初年度として順調に進捗していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に引き続き、大量調理におけるエネルギー消費量の測定および分析を行う。さらに、平成25年度、26年度の分析結果から大量調理で出現頻度の高い献立を選定し、エネルギー消費量削減のための「モデル献立」を作成する。 また、エネルギー消費量可視化(見える化)システムにおいては、前年度の試験運用の結果をもとに動作確認及び画面表示内容の見直しを行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品の購入計画を変更し、平成25年度に購入予定であった物品を平成26年度の予算と合わせて購入するため。 平成26年度の消耗品費として、エネルギー消費量解析のための、データロガー、パソコン、ビデオカメラ、記録メディア、統計解析ソフトを計上し、さらにモデル献立作成のための調理機器、食材費を計上した。また、平成25年度の研究成果の発表と平成26年度実施の研究打ち合わせのための旅費、その他,研究協力者への謝礼金,文献複写費,学会誌投稿料に使用する予定である.
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