2014 Fiscal Year Research-status Report
大量調理施設における消費エネルギーの「見える化」はCO2排出量削減に有効か?
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25750029
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
池田 昌代 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (10364704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 見える化 / 調理 / 給食 / 大量調理施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
大量調理施設におけるエネルギー消費量の動向を明らかにする事を目的とし、管理栄養士養成施設の給食経営管理実習を対象にガス、電気、水道使用量の測定を行った。また、管理栄養士養成課程における省エネルギー教育の一環として、給食経営管理実習で活用できる消費エネルギー「見える化」(可視化)システムを構築をすると共に「見える化」システム導入による学生の省エネルギー意識への影響について対照群を設定し検討を行った。さらに、大量調理において出現頻度の高い献立を抽出し、調理機器別の作業時間及びエネルギー消費量について検討を行った。 1.エネルギー消費量の測定:昨年に引き続き大量調理時のガス、電気の使用量を測定した。今年度は、さらに水道使用量を測定し、調理機器、調理操作、料理区分別のエネルギー消費量を解析した。 2.消費エネルギー「見える化」システムの運用:管理栄養士養成課程の給食経営管理実習室に、消費エネルギー「見える化」パネルを設置し、調理機器(炊飯器、ガスレンジ、スチコン、回転釜)及び食器洗浄機のガス消費量、実習室内の水道使用量を経時的に表示した。省エネルギー意識の評価は、Aグループ75名を「見える化」システム導入群、Bグループ87名を対照群として行った。「見える化」システムシステム導入による影響評価には5因子23項目からなる質問紙(尺度)を用いた。 3.モデル調理による調理機器別エネルギー消費量の比較:同一献立を調理した際の、エネルギー消費量、作業時間、予熱時間を調理機器別に測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画では、大量調理時のエネルギー消費量の分析と消費エネルギー「見える化」システム導入によるエネルギー消費量の削減効果の検討を実施目標に掲げた。 本年度の研究成果として、これまで測定を行ってきたガス、電気の使用量に加え、水道使用量の分析を行うことができた。また、管理栄養士養成課程の給食経営管理実習において、エネルギー消費量可視化(見える化)システムの運用を行い、学生への省エネルギー意識への影響についても検討することができた。 初年度の研究成果を基盤とし、目標とした実験を実施することができた為、本研究課題はおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に引き続き、大量調理におけるエネルギー消費量の測定および解析を行う。 さらに、平成25年度、平成26年度の分析結果から大量調理で出現頻度の高い献立を選定し、エネルギー消費量削減を可能とする「モデル献立」の作成を行う。 また、消費エネルギー「見える化」システムにおいては、前年度の意識調査の結果をもとに、エネルギー教育と「見える化」モニタ併用による、消費エネルギー削減効果について検討する。
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Causes of Carryover |
物品の購入計画を変更し、平成26年度に購入予定であった物品を平成27年度の予算と合わせて購入するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の消耗品として、エネルギー消費量解析のためのデータロガー、パソコン、プリンター、ビデオカメラ、テレビモニタ、記録メディア、統計解析ソフト、さらに、モデル献立作成のための調理機器、食材費を計上した。また、研究成果の発表、資料収集、研究打ち合わせのための旅費、その他、講習会参加費、研究協力者への謝礼金及び交通費、文献複写費、論文投稿料、印刷費に使用する予定である。
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