2013 Fiscal Year Research-status Report
血液中リゾリン脂質の産生制御を介して肥満抑制効果を発揮する機能性食品の開発
Project/Area Number |
25750037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
盛重 純一 金沢大学, 医学系, 助教 (50423405)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リゾホスファチジン酸 / スフィンゴシン1-リン酸 / ポリフェノール / 肥満 |
Research Abstract |
本研究は,メディエーター分子のリゾホスファチジン酸 (LPA)とスフィンゴシン1-リン酸 (S1P)の産生異常をポリフェノール類で是正することで生活習慣病の基盤となる肥満を予防し,抗肥満作用をもつポリフェノールを機能性食品として確立することを目指している.本年度では,まず細胞内外のLPAとS1P量とLPAとS1Pの生合成に関わる酵素活性を測定するため,以前確立した方法を改良し,樹脂に固定化した亜鉛錯体と質量分析によりLPAおよびS1P量の変動を解析できる分析法を確立した.この改良により,LPAとS1Pだけでなくより疎水性の低いホスファチジン産(LPAの前駆体)も分析可能となった.次にマウス線維芽細胞(3T3-L1細胞)をホルモン刺激で脂肪細胞に分化させたところ,細胞内トリアシルグリセロール量の増加に依存するように細胞外のLPA産生酵素(リゾホスホリパーゼD/オートタキシン)の酵素活性が有意に上昇した.また,未分化の細胞と比べ,オートタキシンのmRNAレベルの上昇も確認された.分化させた3T3-L1細胞の培養上清およびウシ胎児血清を酵素源としてリゾホスホリパーゼD活性を阻害するポリフェノールをスクリーニングした結果,robinetinやmyricetinに阻害活性が見られた.現在,S1Pの産生酵素の活性とLPAおよびS1P産生酵素の遺伝子発現を指標にポリフェノール類のスクリーニングを行っており,阻害活性の高いポリフェノールを用いて動物実験を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質量分析法によるリゾリン脂質の定量,脂質代謝関連酵素の酵素活性測定および関連遺伝子の分析条件は,ほぼ確立できた.しかし,ポリフェノールの抗肥満効果のスクリーニングに用いるマウス線維芽細胞(3T3-L1細胞)の脂肪細胞への分化(酵素活性の測定に必要なレベルに達するまで)に想定以上に時間がかかり,より短期間で脂肪細胞が成熟する分化条件を再検討する必要があった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に引き続き商業的に購入可能なポリフェノール類を用いてLPAおよびS1P産生酵素の酵素活性と遺伝子発現に阻害作用を示すポリフェノール類をスクリーニングし,その中で阻害活性の高いものを用いて高脂肪食を与えたマウスに対する抗肥満作用を調べる予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する研究費が生じたのは,本年度に引き続きin vitro系での実験を継続するために必要な試薬等を補充するため,そして次年度から新たにマウスを用いたin vivo系での実験を新たに始めるためである. 次年度の研究経費は,主にポリフェノール類,脂質分析,細胞培養,qPCRや酵素活性測定関連実験に使用する消耗品,実験動物(マウス)購入費および脂質分析の謝金に充てる.また,情報収集や成果発表のための旅費も計上してある.なお,1品又は1組若しくは1式の価格が50万円以上の物品の購入は予定していない。
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Research Products
(1 results)