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2013 Fiscal Year Research-status Report

腸管上皮細胞を標的とした、腸炎ビブリオによる胃腸炎症誘発機構の解明

Research Project

Project/Area Number 25750043
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

下畑 隆明  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90609687)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords腸炎ビブリオ / 胃腸炎症 / VP1680 / サイトカイン
Research Abstract

腸炎ビブリオは、TDH、T3SS1、T3SS2の3つの主要な病原因子を染色体上に保存している。我々の先行研究において、T3SS1が腸管上皮細胞に対して炎症性サイトカインの分泌引き起こす主要な病原因子であり、T3SS1より分泌されるVP1680が炎症性サイトカインIL-8の分泌を引き起こす主要因子であることをこれまでに報告してきた。
本研究では胃腸障害発症メカニズムを解明するため、1、VP1680作用因子の特定、2、マウス実験によるVP1680と胃腸炎症の関連について、3、腸炎ビブリオT3SS1及び、VP1680遺伝子発現制御機構の解明、3つの実験を行っている。
1、VP1680の作用因子についてはHis-VP1680リコンビナントを作成し、腸管上皮細胞のCaco-2細胞の細胞溶解液を用いたプルダウンアッセイにより3つの候補因子を見いだすことが出来た。LC-MS/MS解析の結果1つはVP1680の分解産物であったが、残りの2つが宿主細胞におけるVP1680作用因子候補となり、ターゲット因子を2つに絞ることに成功した。
2、マウス感染における胃腸炎症とVP1680の関連については、マウス腸管ループ試験後の腸管上皮細胞を回収し、炎症性サイトカインのmRNA発現解析を行い、モニタリングに優れた因子の検索を行った。炎症性サイトカインのMIP-2、MCP-1などで優位な遺伝子発現が認められたため、VP1680の遺伝子欠損株を用い胃腸炎症との関連について検討を行う準備が整った。
3、腸炎ビブリオの病原因子の遺伝子発現については、先行研究で行ったトランズウェルを用いた研究をより進展させるため、T3SS1プロモーターを用いたGFPのレポーターシステムを構築した。細胞への接着や付着により蛍光強度が高まることが明らかとなり、感染によるT3SS1遺伝子の発現制御について大きな進展を得ることが出来た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では胃腸障害発症メカニズムを解明するため、1、VP1680作用因子の特定、2、マウス実験によるVP1680と胃腸炎症の関連について、3、腸炎ビブリオT3SS1及び、VP1680遺伝子発現制御機構の解明、3つの実験を行っている。
1、病原因子VP1680の標的因子もHis-VP1680リコンビナント、腸管上皮細胞Caco-2細胞の細胞溶解液を用いたプルダウンアッセイによりターゲットを2つの因子に絞ることが出来、バインディング解析も順次進行しているため、実験の進行はおおむね順調に進展しているといえる。また2、マウスを用いた実験では、腸炎ビブリオ感染実験手法、炎症の評価系も固まり、腸炎ビブリオの遺伝子欠損株を用いた検討の準備は整い、今後VP1680と炎症の関連について研究の進展が期待出来る。さらに3、病原遺伝子の発現機序について新たな評価系も確立し、有効なデータを得ることもできたため、全ての研究がおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

本研究では胃腸障害発症メカニズムを解明するため、1、VP1680作用因子の特定、2、マウス実験によるVP1680と胃腸炎症の関連について、3、腸炎ビブリオT3SS1及び、VP1680遺伝子発現制御機構の解明、3つの実験を行っている。
1、病原因子VP1680の標的因子もターゲットを2つの因子に絞ることに成功したため、今後は標的因子のノックダウンやバインディングについて検討を行い、感染炎症とVP1680の関連について詳細なメカニズムを明らかにする予定である。また2、動物実験では感染手法、解析法について評価系が完成したため、今後VP1680と胃腸炎症について検討を行う。またノックアウトマウスの導入を行い、標的因子とVP1680の関連について検討を行う。さらに3、病原因子の遺伝子発現について新しい研究結果を得ることが出来きたため、現在学術論文の作成を検討中である。今後は腸炎ビブリオの定着、病原性の発揮という一連の機構について詳細な検討を行う予定で、現在定着侵入と関連が大きいとされる遺伝子欠損株の作成を行っている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

使用予定であった消耗品の一部で、年度末に生産が休止してしまった物品があり、年内の平成25年度の購入を見送った。そのため次年度使用額が生じた。
購入予定であった消耗品を、平成26年度に改めて注文し、次年度使用額を消化する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 腸炎ビブリオの3型分泌装置遺伝子発現は細胞接着により誘導される2013

    • Author(s)
      浅田 翔子, 射場 仁美, 下畑 隆明, 上番増 喬, 馬渡 一諭, 髙橋 章
    • Organizer
      第247回徳島医学会学術集会
    • Place of Presentation
      徳島大学大塚講堂(徳島県)
    • Year and Date
      20130804-20130804

URL: 

Published: 2015-05-28  

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