2013 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣の予防を目的とした効率的な食品由来AGEs生成阻害化合物の探索
Project/Area Number |
25750056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
白河 潤一 東海大学, 農学部, 特定研究員 (00647654)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | AGEs生成抑制 / 植物成分抽出 / ELISA法 |
Research Abstract |
本研究の目的である、モウセンゴケ属植物の抽出物を中心としたAGEs生成阻害剤の探索を目指して、本年度は抽出物のELISA法によるAGEs生成抑制効果の検証を行った。 まず、組織培養条件下にて栽培維持されているモウセンゴケ属植物のうち、伝統的に薬用として用いられてきたモウセンゴケ(Drosera rotundifolia)の他、日本に自生するコモウセンゴケ(Drosera spatulata)およびトウカイコモウセンゴケ(Drosera tokaiensis)の2種を含めた、計3種についてエタノール抽出を行い、それぞれの抽出物を得た。これらの抽出物のAGEs生成抑制効果を、Nω-carboxy(methyl)arginine (CMA)およびNε-(carboxymethyl)lysine (CML)に対する特異的モノクローナル抗体を用いたEnzyme-Linked ImmunoSorbent Assay(ELISA)法によって検証した。 その結果、BSAとリボース混合液を1週間37℃でインキュベートして糖化反応を進行させる条件下において、それぞれの抽出物を0.01mg/ml の濃度で添加すると、3種すべての抽出物添加群でCMAおよびCML生成量が無添加群に比べ1/2以下となった。本結果から、モウセンゴケ属植物の抽出物がCMAおよびCMLの生成を抑制することが明らかとなり、モウセンゴケ属植物がAGEs生成阻害剤として利用できる可能性が示された。また、組織培養条件下で栽培された個体においてAGEs生成抑制効果がみられたことから、実際に阻害剤として利用する際に、環境や季節の影響を受けず安定的に材料を供給できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は申請書に記載した研究計画に沿って進行している。平成25年度の研究計画として記載した植物抽出サンプルの作製とELISAによるAGEs抑制効果の検証については予定していた内容をすべて行い、モウセンゴケ属植物の抽出物におけるAGEs生成抑制効果の検証に成功している。よって、研究は計画通り順調に進行していると判断し、本評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
3種のモウセンゴケ属植物においてAGEs生成抑制効果が示されたため、モウセンゴケ属内の他の種においても成分抽出を行い、ELISA法によるAGEs生成抑制効果の検証によって、より効果の期待できる材料を探索する。今年度の実験に用いた3種のモウセンゴケ属植物は、比較的近縁な種であるため、次年度はより広域な分類群で探索を行う予定である。さらに、動物実験によるAGEs阻害効果の検証を行う目的で、平成26年度の研究計画として記載した、「AGEsの血清中での検出」のため、LC-MS/MSによるAGEs検出条件の探索を行っていく。具体的には、標準物質を用いてAGEs検出のための条件を決定後、生体中において検出が可能となるような前処理条件の検討を行っていく予定である。生体中で信頼性の高いAGEs測定条件を決定した後、実験動物への摂食試験を開始する。
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Research Products
(3 results)