2013 Fiscal Year Research-status Report
最大骨量獲得のための栄養素摂取および栄養教育効果についての検討
Project/Area Number |
25750058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
曽我部 夏子 駒沢女子大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30459937)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 最大骨量 |
Research Abstract |
骨粗鬆症予防には、若年期にできるだけ最大骨量を高めることが重要である。そこで 若年者に対する栄養教育が重要となるが、「若年期の骨代謝、特に最大骨量獲得と食生活との関連」は明らかになっていない点が多く、栄養教育に有効なエビデンスが少ない。そこで本研究では、研究1:若年期の食生活と骨代謝、特に最大骨量獲得との関連について検討する。そして、その成果をもとに研究2:骨代謝改善のための栄養教育プログラムを確立し、実施してその教育効果を判定する。 本年度は、研究1の若年者の食生活と骨代謝に関する調査研究を実施した。東京都内の大学に在籍する運動習慣のない大学生および女子サッカーチームに所属する中高生、大学生を対象に、栄養素摂取状況調査(3日間の留め置き法による食事調査)、体重・体脂肪測定、超音波法による骨量測定、血中の骨代謝マーカー測定(骨形成マーカーである、血清オステオカルシン;OC、骨型アルカリホスファターゼ;BAP、さらに非グラ化オステオカルシン;UCOC)、血清ビタミンD濃度測定、踵骨骨量測定を測定した。月経が始まっていない中学生群(月経なし中学生)、月経あり中学生群、高校・大学生群、運動習慣なし大学生群に分けて検討したところ、骨形成マーカーであるBAPが月経なし中学生群が最も高く、次いで月経あり中学生群、高校・大学生群、運動習慣なし大学生群と平均年齢が上がる程、BAP値が下がることが明らかになった。一方OCは、月経なし中学生群が最も高く、次いで月経なし中学生群であった。高校生群は月経なし中学生群に比べて低い値であったが、大学生とは差がみられなかった。踵骨の音響的骨評価値は、高校・大学生群が最も高く、次いで月経あり中学生であった。一方、エネルギー摂取量およびカルシウム摂取量は、月経なし中学生群で最も多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に実施を予定していた若年者の血中骨代謝マーカー測定および食生活状況調査を実施することができ、研究が順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、若年女性の骨代謝マーカーの年齢による横断比較をすることができた。26年度は、25年度の被験者に対し、食生活状況・骨代謝マーカー測定を再度実施し、1年前とのデータと比較し、縦断的検討を行う。また、自分で食事を選択する機会が中学生に比べて増えてくる高校生や大学生では、カルシウム摂取量が少ない者が多く存在することが25年度の研究で明らかになった。25年度のデータをもとに、研究2の「骨代謝改善のための栄養教育プログラム」を作成し、実施していく。栄養教育プログラムでは、中学生・高校生・大学生のそれぞれの食生活の状況を踏まえて、年代に合った教育内容とする。年代ごとの栄養教育の実施によって、カルシウムやビタミンDなど骨代謝に関連する栄養素摂取量の変化を調査し、骨代謝マーカーの変動と併せて検討する。つまり、栄養教育対象者に対し、教育実施前に食生活状況調査を3日間の留め置き法による食事記録調査、血中骨代謝マーカーの測定、踵骨骨量測定を実施し、栄養教育プログラム終了時にも同様の調査を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
測定予定の被験者人数に変更があったため。 縦断的解析や栄養教育の効果判定を行うため、血液サンプル解析試薬代などに消耗品代を使用する。また、採血を行う医師、データ入力のための謝金、被験者の謝礼として使用する。旅費は、成果発表のため学会への参加に使用する。
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